作業効率180%アップと月3万円の人件費を削減
株式会社OKURA 様
「価値があるモノ」が循環する社会をつくるためにリユース事業を展開する株式会社OKURA。同社販売企画課の浅島氏にRaBitの導入についてお話を伺いました。
煩雑な作業を簡素化し、効率アップを図りたい
――RaBitを導入した理由について教えてください。
浅島氏:弊社では古物の売買を行っています。今回、ブランドバックや時計、宝石などの商品のオークションの運営を行なっている部署にRaBitを導入しました。
導入した理由は、月に5、6回開催しているオークションの出品情報の管理と帳票類の作成作業を簡素化し、効率を上げて体制を強化したいと思ったからです。
例えば、ある商品の情報を入力する際、箱番号と枝番号をシステム内で登録する必要があり、そのためにはまず商品の箱番号を検索してから、そこに枝番号を登録して商品情報を入力します。一定数の入力が終わったらまた箱番号を検索して…と煩雑な手作業が存在していました。
しかし、既存のシステム全体を変えることは難しいため、部分的に業務を簡素化する必要がありました。結果的に必要な業務にだけRaBitを導入し、大幅に作業効率を上げることができました。
導入の決め手は「費用対効果」
――元々、RPAについてはご存知でしたか?
浅島氏:詳しくは知らなかったのですが、OCRがきっかけでRPAを知りました。
ファックスでいただいた情報を自動でデータとして取り込む方法を探していた際、弊社のシステム全般でお世話になっているラディックスさんにOCRとセットでRPAをご提案いただいたのがきっかけです。自分でもいろいろ調べてみたら、RPAを導入することで作業の簡素化が実現できそうだと感じました。
――RaBitを導入した決め手を教えてください。
浅島氏:いちばんの決め手は費用対効果です。即時効果が見込める施策を打たない手はないと思い、スピード重視で導入に踏み切りました。
――RaBitにどのような期待をされていましたか。
浅島氏:まずは、作業工数(クリック数)を大幅に減らせることです。1つの商品の情報を入力する際の、箱番号を検索して呼び出し、情報を入力するという一連の作業の中でのクリックの回数は、数百点、数千点もの商品の入力作業に換算すると、膨大な回数になります。RaBitを導入することによって、この回数が圧倒的に減るのではないかと期待していました。
また、入力内容の精査を行う際のチェック作業も簡素化できると思いました。商品ごとに検索し、帳票と照合して確認するというやり方ではなく、情報を一元管理したエクセルでの確認の方が作業も楽ですし、ヒューマンエラーを防ぐことができると考えていましたし、実際にそうなりました。
入念な事前調整で不安を払拭
――懸念点や不安はありましたか。
浅島氏:エラー発生時の対応については懸念していました。せっかくRPAを導入しても、人間が稼働していないタイミングで人件費削減に繋がらないと意味がありません。
もし、人がいない夜間の作業で何かしらのエラーが発生して作業が止まってしまったら、翌日早々から事前に予定していた業務が滞ってしまいます。夜間作業が止まるリスクに対しては、登坂さんと入念なすり合わせをさせていただきました。
登坂(RaBit窓口):実際に動かしてみて、どれだけの時間を要するのか検証することから、あらゆるパターンを試してすべてのエラーやバグの可能性を洗い出しました。それに対して正確に対応できるように組み込んでいく作業は、かなり入念にやらせていただきました。
浅島氏:当初、4日くらいあれば完成すると考えていましたが、予想以上にシステムに落とし込む上でのエラーの種類が多く、「テスト・修正・確認」を繰り返し行いました。そこに少し時間を要しましたが、予定していた月末の運用には無事間に合わせることができました。
最初の月は、商品4,000点のうち1,000点の情報入力作業にRaBitを導入しました。作業担当者の使用感をヒアリングして改善し、その後、本格運用を開始しました。
RaBitの導入で生産性が180%アップした
――RaBitを導入して、実際にどのような成果がありましたか。
浅島氏:さまざまなフォーマットの情報を集約したオークションの商品リストをRaBitで自動的に作成することで、生産性がかなりアップしました。
具体的には、1人当たり190点の入力に費やしていた時間で350点の入力を達成しました。数字にすると生産性が180%上がったことになります。また、人件費として月平均で3万円以上のコストカットを実現できました。
1年ほど前からオペレーションの精査を進めており「これ以上の改善は見込めない」と感じていた部分を、RaBitの導入により改善することができました。
結果、工数削減により事業拡大に貢献することができたと思いますし、他事業への展開の可能性も感じております。
――具体的にはどのような可能性でしょうか。
浅島氏:例えば、今回はオークション運営におけるスポット商材に焦点をあて着手を行いましたが、他商材への展開、また、卸販売やEC出品など同様に商品情報の登録作業が生じる部署や畑違いの経理や労務などのシステムへの入力作業など、様々なかたちで需要があると感じています。
現在は限られた範囲の限られた人員の生産性最大化を目的に着手を行いましたが、もっと広い範囲で効率化や経費削減に繋げられると感じております。
――今後RaBitに期待することがあれば教えてください。
浅島氏:今回RaBitを導入した運営システムは、単純な作業の繰り返しとはいえ非常に工数を要するものでした。そういう業務にはRPAが向いていると感じました。今後、期待しているのはOCRで、もしAIの学習制度が上がるなら導入を前向きに検討したいと思っています。
登坂(RaBit窓口):OCRも精度は上がってきているので、RPAと連携して上手く活用できるよう頑張ります。実際にRaBitが役立っている事例を知ることができて嬉しく思います。今後ともよろしくお願いいたします!