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RPAとVBAの違いとは?それぞれに適した業務や使い分けのポイントも解説

人手不足問題などで定型業務を効率化するため、「RPA」や「VBA」を活用して業務を自動化する事例が増加傾向にあります。一方で、RPAとVBAにはそれぞれ明確な違いがあり、適用できる業務範囲や連携できるツールなども大きく異なります。

そのため、RPAとVBAを駆使して業務を効率化するときは、事前に違いを把握しておくことが大切です。

この記事では、RPAとVBAとは何か、それぞれの違いや共通点を徹底解説します。RPAとVBAそれぞれに適した業務や、導入時のポイントについても解説しますので、あわせてご参照ください。

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 1.RPAとは

1.RPAとは

「RPA(Robotic Process Automation)」とは、パソコン上で稼働するロボットを使った業務の自動化ツールです。シナリオと呼ばれる業務手順を事前に設定すれば、同じ作業をミスなく繰り返せるメリットがあります。

さらに、RPAツールはパソコンの操作を代行する仕組みが特徴のひとつ。デスクトップ上であればさまざまなツール・ソフトウェア・システムを横断的に操作できるのが魅力で、RPAツールは定型業務の自動化にも最適です。

一度設定すれば専門知識がなくても活用できるほか、大量のデータもスピーディかつ正確に処理できるメリットから、近年多くの企業で導入が進められています。

ココがポイント


RPAツールとは、パソコン上の操作を自動化する仕組みで、幅広いシステムやソフトウェアをまたいで定型業務を効率化できる

 2.VBAとは

2.VBAとは

「VBA(Visual Basic for Applications)」とは、主にMicrosoft Office製品のアプリ機能を拡張・自動化できるプログラミング言語です。VBAを組み合わせることでマクロ(自動化機能)を作成し、Office製品を使った作業の効率化・自動化を実現できるメリットがあります。

いわば、RPAと似た働きをする「マクロ」を作るための仕組みがVBAです。VBAはあくまでマクロを作成するためのプログラミング言語で、主にExcelやWordを始めとしたOfficeアプリケーションで活用できます。

Office製品にデフォルトで搭載されているため、すでに導入済みであればコストを抑えて作業を効率化できるのも特長です。一方で、優れたマクロを構築するにはVBAへの深い理解や学習が求められます。

ココがポイント


VBAとは、Microsoft Office製品に活用できるプログラミング言語で、一部の作業や手順を自動化するマクロを作成できる

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 3.RPAとVBAの違い

3.RPAとVBAの違い

RPAとVBAはどちらも作業の効率化や定型業務の自動化に長けている一方で、それぞれ具体的な働きや作業できる範囲が異なります。具体的なRPAとVBAの違いは以下のとおりです。

  • 自動化できる範囲
  • プログラミングの知識
  • 処理できるデータ量
  • コスト
  • サポート
  • 外部システムとの連携

ここでは、RPAとVBAの違いについて解説します。

 3-1.自動化できる範囲

RPAとVBAは、自動化できる作業範囲に違いがあります。基本的に、VBAよりもRPAツールの方が自動化できる範囲に優れています。RPAツールは、パソコンを使ったデスクトップ上の操作であればほとんどを自動化できるのが特徴です。

一方で、VBAはあくまでMicrosoft Officeの製品に限られます。そのため、「Excelから自社システムへデータ転記」といったシステムをまたぐ作業は、RPAツールでしか自動化できません。

実際に業務へ適用できるかどうかは、作業手順に人の判断が不要かどうかなどさまざまな要因が絡むものの、原則としてRPAとVBAを比較すると「RPAの方が自動化できる範囲に優れている」のが特長です。

 3-2.プログラミングの知識

RPAとVBAは、求められるプログラミング知識量に差があります。RPAツールにはマウスだけで作業を自動化できるシステムも登場している一方で、VBAはプログラミング知識を元にマクロを作成しなければなりません

そのため、VBAにはマクロの作成にどのようなコードが必要なのか、プログラミングする知識とスキルが必要です。

ただし、「求められるプログラミングの手軽さはRPAが勝っている」と一概には言えません。厳密にはRPAツールにも多種多様な種類があり、作業を自動化するためにVBAと同じプログラミング知識やスキルが求められるシステムもあります。

 3-3.処理できるデータ量

RPAとVBAは処理できるデータ量について、どちらも使用しているパソコンが持つスペックの影響を受けます。しかし、システムをどのように稼働させるかで、パソコンへの負荷を低減して処理できるデータ量を増やすことが可能です。

原則として、VBAはマクロを稼働させているパソコンのスペックに影響します。一度に大量のデータを処理しようとすると、使っているパソコンによっては動作が遅くなったり、フリーズしたりする事例も少なくありません。

クラウド型やサーバー型のRPAツールなら、システム稼働の負荷をパソコンの外に逃がせます。大量のデータも高速で処理できるようになるため、お使いのパソコンスペックによる影響を受けにくいのがメリットです。

 3-4.コスト

RPAとVBAは導入コストにも違いがあります。原則として、Microsoft Office製品が導入済みであればVBAのコストは不要です。多くのオフィスで活用されているため、導入コスト面ではVBAに大きな軍配が上がります

RPAツールにも無料で導入できるオープンソースタイプが登場していますが、数は多くありません。また、RPAツールはタイプによって月々の利用料が発生するタイプも多く、ランニングコストが掛かります。

RPAとVBAを比較すると、すでにOffice製品が揃っているならVBAが優れたコストパフォーマンスを発揮すると言えます。RPAツールの導入や運用にコストが掛かってしまうのは避けられません。

ココがポイント


VBAはOffice製品に付帯しているため導入済みなら無料で利用できる。ただし、RPAツールにも無料製品があるため、導入・運用コストは製品によって大きく異なる

 3-5.サポート

RPAとVBAの違う点に、サポートの有無があげられます。VBAはあくまで自身でマクロを構築する必要があり、公式サポートは受けられません。自社リソースだけで対応が難しい場合は、外部会社などのコンサルティングや有料サービスを受けてマクロを作成する必要があります。

一方で、RPAツールは多くの製品でサポートが含まれています。サービス利用料にシステムのメンテナンスやサポート費が含まれているソフトウェアも多く、万が一のトラブル時も安心して利用できるのが特長です。

「導入・運用」などのコスト面はVBAが優れている一方で、「学習・手間」などの時間的コスト面はRPAツールが優れていると言えます。

 3-6.外部システムとの連携

外部システムと連携できる範囲もRPAとVBAで異なります。RPAツールなら、パソコン上で操作できるほとんどのソフトウェアと連携できます。そのため、Excelから自社システム、自社システムから給与計算や勤怠管理など外部SaaS、といった連携の橋渡し的役割にもなれるのが特徴です。

一方で、VBAによって構築したマクロは、原則としてMicrosoft Office製品内でしか稼働できません。Excelの数列処理などを自動化して業務を効率化できるものの、外部システムと連携させるのは難しくなっています。

 4.RPAとVBAの共通点

4.RPAとVBAの共通点

RPAとVBAは、「非定型業務が苦手」「大量のデータを早く正確に処理できる」「定期的なメンテナンスが必要」といった共通点があります。


RPAとVBAはどちらも繰り返し行う作業を自動化するのに長けていますが、人の判断が求められる部分が手順に含まれていると、ボトルネックになり作業を自動化できません。そのため、非定型業務の効率化には適さないのが現状です。

一方で、大量のデータも早く正確に処理できるのは大きな魅力です。常に設定通りの手順で作業を繰り返すため、転記ミスや計算ミスなどのヒューマンエラーが起きる心配もありません。品質を保ったまま作業を完了できるため、人の手で行うよりもデータ処理を素早く終わらせられます。

しかし、どちらもシステムを稼働させるうえで定期的なメンテナンスが求められます。

特に、RPAは作業手順に含まれる外部システムやソフトウェアに変更があると、動作が停止してしまう事例も少なくありません。RPAツールは作業途中に含まれるシステム・アプリの変更がないか、確認を含めたうえで定期的なメンテナンスが求められます。

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 5.RPAとVBAそれぞれに適した業務

5.RPAとVBAそれぞれに適した業務

RPAとVBAはどちらも定型業務の自動化・効率化に適したツールですが、それぞれ特色が違い、適した業務範囲も異なります。

  • RPA:パソコンで行える手順が変わらない作業
  • VBA:Microsoft Office製品上で行う作業

ここでは、RPAとVBAそれぞれに適した業務について紹介します。

 5-1.RPAに適した業務

RPAツールの運用に適した業務は、「パソコンで行える手順が変わらない作業」です。基本的に、人と同じようにデスクトップ上を操作できるため、複数の外部システムやソフトウェアを横断的に活用できるメリットがあります。

そのため、生産管理から販売管理、会計管理システムなど複数のシステムにまたがる処理も自動化が可能です。ほかにも、情報を抽出するエリアを限定すれば、「複数のWebサイトから口コミや競合商品価格などの情報収集」といった作業も自動化できます。

RPAツールはデジタルレイバー(仮想的労働者)とも呼ばれており、膨大な量のデータ処理から複数のシステムにまたがった作業まで、手順が定まっていれば幅広い業務の効率化・自動化に適しています。

 5-2.VBAに適した業務

VBAの運用に適した業務は「Microsoft Office製品上で行える作業」です。VBAでマクロを作成すれば、「Excel上で数式計算やエラー吐き出し」といった作業も自動化できます。見積書や請求書で製品数を入力するだけで数式を出力するなど、細かい業務も効率化が可能です。

また、Office製品同士で連携する処理もVBAのマクロで実現できます。お問い合わせ窓口からOutlookへ届いたメールより、Excelで企業名、担当者名、問い合わせ名などを抜き出して管理するのも自動化可能です。

多くの企業でMicrosoft Office製品を活用しており、VBAを活用できる業務範囲も十分に広いと言えます。VBAはMicrosoft製品さえあれば無料で活用できるため、導入・開発のコストを掛けられないときも選択肢のひとつです。

一方で、自社にVBAを扱えるITリソースが必要など、学習面を含めた時間的コストが掛かります。

 6.RPAとVBAのどちらを導入すべきか決める際のポイント

6.RPAとVBAのどちらを導入すべきか決める際のポイント

RPAとVBA(マクロ)はどちらも業務の効率化に優れているものの、実際には特色や動作範囲が異なるため、以下のポイントに着目して比較検討することが大切です。

  • 現場が使いやすいか
  • Microsoftのアプリのみで完結するか
  • 自動化する業務量がどれくらいか
  • 管理できる人がいるか
  • 予算がどれくらいか

ここでは、RPAとVBAのどちらを導入すべきか悩んでいる方へ向けて、比較ポイントを紹介します。

 6-1.現場が使いやすいか

RPAとVBAを導入すれば業務を効率化できるとはいえ、現場に浸透しなければ意味がありません。基本的に、RPAツールは直感的に操作できるシステムが多く、UIに慣れ親しみやすいため、現場担当者も使いやすい魅力があります

一方で、VBAは導入時のレクチャーや運用中のトラブルサポートなど、自社内にITリソースが求められます。

RPAツールによっては、作業を自動化するための設定をマウスのドラッグ&ドロップだけで設定できたり、ベンダー側がすべての設定をオーダーメイドで代行できたりするのもポイントです。そのため、導入・運用の進めやすさはRPAツールに軍配が上がります。

 6-2.Microsoftのアプリのみで完結するか

RPAとVBAによるマクロで業務を効率化するとき、Microsoft内で作業が完結するのであればVBAは非常に優秀です。Microsoft製品に特化したマクロを作成できるため、VBAを用いて多くの作業を自動化できます

一方で、自社の独自システムや給与計算・勤怠管理などSaaSを活用している場合、外部システムとの連携にVBAを活用するのは難しくなっています。Excelデータなどを取り込めるSaaS製品も多くなっていますが、取り込み作業自体は人力で行わなければなりません。

RPAツールならデータの転記を含めて自動化できるため、作業負担を減らして大幅に業務を効率化できるメリットがあります。

 6-3.自動化する業務量がどれくらいか

RPAとVBAを比較検討するときは、自動化する業務量に応じて選定するのもポイントです。大容量のデータ処理を行う場合は、使っているパソコンスペックに大きな影響を受けるVBAだと不向きな可能性があります。場合によってはパソコンがフリーズしてしまう事例も少なくありません。

膨大なデータ処理なら、サーバー型やクラウド型などで外部負荷も利用できるRPAツールが優れています。一方で、数値計算や処理はVBAも優れており、簡単なデータ処理ならVBAの方が優れたコストパフォーマンスを発揮するでしょう。

 6-4.管理できる人がいるか

RPAとVBAを導入するとき、管理できる人の有無によってどちらを選ぶべきかは異なります。原則として、管理できる人がいなければRPAツールがベストです。特に、ベンダーのサポートが豊富なRPAツールなら、万が一のシステムトラブルが起きても安心して利用できます

VBAは公式サポートや問い合わせ窓口もないほか、プログラミングスキルも求められるため、自社内ですべてのリソースを完結させる必要があります。なかには、開発担当者が退職してブラックボックス化している事例も少なくありません。

必要に応じて外部コンサルや専用会社に依頼するのも選択肢のひとつですが、月々のコストが掛かるため、VBAのメリットが薄れてしまうのも事実です。

自社の状況を振り返って、「管理・運用できる人材がいればVBA」「手間やリスクを最小限に抑えたいならRPA」だと言えます。

 6-5.予算がどれくらいか

導入・運用予算などを最小限に抑えたい場合は、VBAがおすすめです。マクロはMicrosoft Office製品に付帯した機能で、ExcelなどのOffice製品さえあれば無料で導入できるのがメリットです。そのため、予算を抑えて導入するならVBAは非常に優れています。

ただし、実際にVBAでマクロを作るにはプログラミングのできるIT人材が必要です。また、現場担当者に使い方を教えたり、メンテナンスしたりする手間が掛かってしまいます。最終的に時間的コストが大きく掛かってしまい、その分リソースを割かれてコア業務に注力できない可能性も否定できません。

人的コストなどを踏まえると総合的にRPAツールが安く済むケースもあるため、導入範囲や規模、自社のIT人材等を踏まえたうえで予算を算出してみるのもポイントです。

  • VBA:Office製品に付帯しているため無料
  • RPAツール:製品によって異なるものの、無料~数百万まで幅広い
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 7.RPAとVBAは組み合わせて使える

7.RPAとVBAは組み合わせて使える

RPAツールとVBAはどちらも単純作業の効率化に優れているものの、「RPA:外部システムとの連携や定型業務の自動化」「VBA:Excel等のデータ管理・整理・加工」とそれぞれ特色が異なります。

そのため、RPAとVBAを組み合わせれば、業務効率を大幅にアップすることが可能です。たとえば、「1.RPAツールでWeb上から競合の価格情報を収集&Excelへ転記」「2.VBAで価格情報を整理・加工してグラフ化」「3.RPAで結果をメールで担当者に送付&資料の印刷指示」といった手順を自動化できます。

また、RPAツールはVBAを使用できるのも魅力です。VBAマクロを使った「計算処理の指示」もRPAツールで自動化できるため、担当者はボタンを押すだけで必要なデータ&資料を入手できます。

ココがポイント


RPAツールとVBAを併用すれば、幅広い業務を効率化できる

 8.RPAの活用なら「RaBit」にご相談ください

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RPAとVBAはどちらも単純作業の自動化・効率化に長けたシステムです。特にRPAツールは作業手順が定まっていれば幅広い業務を自動化できるため、近年多くの企業で導入が進められています。

一見するとRPAツールとVBAは機能性が同じようにも思えますが、特色は異なります。また、RPAツールがVBAマクロの使用処理も行えるため、両者を組み合わせれば業務効率を大幅にアップできるのも魅力です。

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