昨今では、大手企業・中小企業を問わずRPAロボットの導入事例が増えています。多くの企業が人材不足の解消や業務効率化を実現すべく、RPAロボットの活用を進めている状況です。
しかし、「RPAロボット」の言葉を見聞きした記憶はあるものの、機能や作り方が分からず、いまだツールの導入に至っていない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、RPAロボットの機能や導入メリット、作り方について解説します。本記事をご覧いただき、RPAロボットに関する知識を深めていただければ幸いです。
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目次
1.RPAとは?AIや他のロボットとの違い

RPA(Robotic Process Automation)は、日本語に訳すと「ロボットによる業務の自動化」といった意味になります。単語に「ロボット」が含まれているものの、産業用ロボットや各種ボット、AIなどとは機能や役割が異なるシステムです。
ここでは、RPAの機能や、混同されやすいAIとの違いについてご紹介します。
1-1.RPAの機能は定型業務の自動化
RPAは、ソフトウェア型のロボットでパソコンを使った定型業務を自動化するツールです。具体的には、次のような業務を自動化できます。
- データの入力・転記・照合・集計・加工
- Webサイトからの情報収集
- 精算処理
- レポート作成・書類作成
- メールの自動送信
RPAはあくまでも既存のシステムやソフトウェアを使った定型業務を自動化するツールであり、ハードウェアを伴う産業用ロボットやチャットボット、検索エンジンのクローラーボットなどとは異なります。
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「NEDOロボット白書2014」では、ロボットを「センサー、知能・制御系、駆動系の3つの要素技術を有する、知能化した機械システム」と定義しています。
この定義によると、RPAにはセンサーや駆動系の要素技術が含まれていないため、厳密にはロボットではありません。
しかし、実際はRPAのことを慣用的に「RPAロボット」と呼ぶ事例も多く、広い意味での「ロボット」として認知されています。
ココがポイント
RPAのロボットとは、RPAのツール内で動いてくれる実体のないロボットのこと
1-2.AIは非定型業務の自動化も可能
AIは「Artificial Intelligence」の略称で、人工知能を意味します。AIは機械学習などによって学習を繰り返し、人間の頭脳のような知能を持ったソフトウェアです。
AIは与えられた情報に対して自ら考えて最適な答えを導き出せるので、状況に応じた適切な処理を実施するなど、非定型業務も自動化できます。
一方で、RPAはAIのように自ら考える知能は持っておらず、人が教えた手順やルールに忠実に従いながら動作を繰り返します。
RPAとAIは混同されやすいですが、「定型業務の自動化に特化しているのがRPA」「非定型業務も自動化できるのがAI」と区別して考えましょう。
最近では、AIを搭載したRPAも登場しており、一部の非定型業務も自動化できるシステムが存在しています。
2.RPAロボットを導入するメリット

RPAロボットを導入すると、ビジネスシーンでさまざまなメリットを得られます。
- 単純作業にかかる時間を短縮できる
- 作業を正確に実行できる
- 付加価値の向上につながる
それぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.単純作業にかかる時間を短縮できる
RPAロボットは、人が手作業で行うよりも、単純作業にかかる時間を大幅に短縮できます。ソフトウェアであるRPAロボットは、疲れて作業スピードが落ちる心配も要らず、休憩も必要ないため24時間365日稼働できます。
扱うデータ量が膨大になるほど、時間短縮のメリットを得やすいのがRPAツールの特長です。
また、これまで人の手で行っていた作業をRPAロボットで自動化すれば、その作業にかかっていた人件費を削減でき、人手不足の解消にもつながります。
2-2.作業を正確に実行できる
RPAロボットはあらかじめ教えられた手順やルールを忠実に守りながら作業を繰り返すため、人が手作業で行うよりも正確です。
人が作業を行っていると、疲れや不注意によって何らかのミスが発生しがちですが、RPAロボットではそういったヒューマンエラーの心配がありません。
RPAロボットに作業を任せていれば、ミスによる手戻りや二重チェックといった付帯作業も削減できるため、作業品質だけでなく生産性の向上も期待できるメリットがあります。
2-3.付加価値の向上につながる
RPAロボットの導入は、付加価値の向上にもつながります。たとえば、RPAロボットで定型業務が短時間で終わるようになれば、顧客に対するサービスの提供スピードが早くなります。
特に、問い合わせ対応をRPAロボットで自動化すると、顧客が知りたい情報を即座に提供できるので、顧客満足度が高まりやすい点がメリットです。
また、定型業務をRPAロボットに任せていけば、従業員が商品開発や改善活動といった人にしかできない生産的な業務に多くの時間を割けるようになるので、企業全体の付加価値向上にもつながります。
ココがポイント
RPAの導入済み企業と非導入の企業は、競争力の差が開いていく
3.RPAロボットの作り方

RPAロボットを導入して業務の自動化に取り組む場合は、「自社でRPAを開発する」「既存のRPAツールを導入する」といった2種類の方法があります。
各方法の特徴や押さえておきたいポイントをご紹介します。
3-1.RPA自体を自社開発する場合
RPAそのものを自社で開発する場合は、自社の業務内容に対して最適な機能を実装できます。特殊な業界では、一般的なRPAには備わっていない機能が必要になる事例もありますが、自社開発なら求める機能を柔軟にシステムへ実装できるのがメリットです。
一方で、自社でRPAを開発するには、十分なスキルを持ったITエンジニアの存在が必要不可欠です。システム開発には、プログラミングスキルはもちろん、ネットワークやテストに関する知識なども求められます。
ITエンジニアがいない企業では、RPAツールの自社開発が現実的に難しいのも事実です。また、外部にRPA自体の開発を委託する場合も、数百万円から数千万円の高額なコストがかかります。
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3-2.既存のRPAロボットを導入する場合
既存のRPAロボットを導入する場合は、RPAの選定で失敗しない比較検討が大切です。たとえば、RPAロボットには「汎用型」と「特化型」の分け方があります。
汎用型は幅広い業務の自動化ができるように開発されたソフトです。一方で特化型は経理向け・人事向けといった特定の業務の自動化に最適な形で開発されています。
自社に合ったRPAを導入しなければ十分な導入効果を得られない可能性が高いので、注意が必要です。
RPAの導入を進めるときは、まず自社内でRPA化したい業務の選定から始めます。その後、それらの業務に適したRPAロボットを選定し、業務に合わせた初期設定を行ってから、実際に業務のRPA化に取り組む流れです。
既存のRPAロボットを導入するメリットは、「ITエンジニアのいない企業でも気軽に導入できる」「すぐに業務の自動化に取り組める」「ベンダーからのサポートを受けられる場合がある」などが挙げられます。
多くの企業にとっては、既存のRPAソフトを導入するのが主流の選択肢です。RPAの基礎やロボットを自社開発するよりも、総合的なコストや手間を削減できます。
ココがポイント
業務効率を改善しつつ導入の手間やコスト削減を望む場合は、既存のRPAツールを導入するのがベスト
4.まとめ

今回は、RPAロボットの機能や導入メリット、作り方について紹介しました。RPAロボットの導入によって、企業が得られるメリットは数多くあります。人材不足の解消や業務の効率化を実現したい企業の方は、RPAロボットの導入を検討してはいかがでしょうか。
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