見積もりの作成から提出まで、昨今では紙ベースからデジタルベースに見積もり業務が移行しています。見積もり業務の自動化に役立つツールはさまざま登場しており、コストの低さや手を出しやすいハードルの低さから利用者も増加傾向にあります。
しかし、見積もり業務を自動化して効率的な運用を目指したつもりでも、実際には効率化に失敗してしまう事例も少なくありません。
この記事では、見積もり業務を自動化する方法とはなにか、各手法のメリット・デメリットを徹底解説します。導入のハードルを最小限に抑えて見積もり業務を自動化できるサービスについても紹介しますので、あわせてご参照ください。
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1.見積もり業務を自動化する主な方法
見積もり業務はいくつかの手法で自動化できます。実際にどの程度の作業までを自動化するかによって利用すべきソフトウェアは異なるものの、具体的には以下の3つの選択肢が用意されています。
- 自身の経験に基づいた見積もりを効率的に行う
- AIが過去のデータや加工情報をもとに自動的に見積もりをする
- 見積もり算出後のフローを自動・効率化する
ここでは、見積もり業務を自動化する主な方法について解説します。
1-1.エクセルVBAを活用する
エクセルVBAとは、エクセルを使って自動計算や繰り返し作業を自動化できる仕組みを指します。専用のマクロを作るために、VBAを使ってプログラミングする必要があるものの、テキストフォーマットがベースの見積もり書を効率的に制作できるのがメリットです。
たとえば、事前に用意したコードを入力するだけで該当商品の品数や単価が自動的に反映・入力、総額を算出といった機能を実現できます。人の手ですべてを入力するよりも、数量や単価のミスによるトラブルを防ぎやすいメリットがあります。
1-2.自動見積もりソフトを導入する
自動見積もりソフトとは、製造業など各業界に特化したシステムを提供しているツールです。AIなどを駆使して、過去の実績や図面特徴、加工情報などをもとに見積もりの価格を自動的に算出します。
顧客情報や商品データを事前に登録すれば、必要な情報を入力するだけで自動的に見積もりを行えるため、経験の浅い社員でも短時間で高品質な見積もりを行えるのがメリットです。
1-3.RPAを導入する
RPAとは、定型業務などのルーチンワークを自動化できるツールです。さまざまなシステム・アプリ同士のデータ連携を自動化できるため、見積もり書のフォーマットに入力されたデータをもとに、自社システムへの転記や顧客先へのメール配信までさまざまな手順を自動化できます。
また、RPAツールはWebサイト上のデータも取得できるため、商品情報が外部サイトにあっても見積もりソフトウェアへ自動的に転記できます。見積もりの自動化手順において、RPAツールは効率を最大化するのに貢献しやすいのがメリットです。
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2.エクセルVBAによる見積もり自動化のメリット・デメリット
エクセルVBAはエクセルがあれば無料で利用できるため、導入のハードルが低いメリットがあります。一方で、マクロを組む手間やその学習コストが掛かる点がデメリットのひとつに。
ここでは、エクセルVBAによる見積もり自動化のメリット・デメリットについて解説します。
2-1.メリット
エクセルVBAを使うメリットに、コストを抑えて導入できる点があげられます。特別なソフトなどは一切必要なく、すでにエクセルを利用していればそのまま既存のエクセルが見積もり業務を自動化するツールに早変わりするのがメリットです。
エクセルVBAなら、初期費用を抑えたまま見積もり業務の自動化を実現しやすくなっています。また、自社専用の見積もりフォーマットを制作できるのもメリットで、必要なデータを過不足なく生成できるため、業務をより効率的に進めやすくなるのもポイントです。
見積もり業務における「見積もり番号の取得・挿入」「見積もり書を別名で保存」「履歴の取得」などさまざまな作業を自動化できます。
2-2.デメリット
エクセルVBAにはさまざまなメリットがある一方で、構築にプログラミングスキルが必要な点がデメリットです。専門的な知識がなければ効果的な自動化を実現しにくく、また適切なプログラミングでなければ正しく見積もり業務を自動化できません。
複雑な見積もり作業をマクロで自動化させるには、一定のITリテラシーを持った人の協力が必要です。
また、書類の管理が難しくなってしまうのもデメリットです。フォーマットを統一していても、見積もり書の番号が重複していたり、顧客の情報管理を一括で管理しにくくなったりしてしまいます。
エクセルVBAのマクロで見積もり業務を自動化する場合は、あくまでテキスト部分の処理を効率化するのみとなります。受注処理や発行、入金といったフローの自動化はできないため、紙媒体による管理リスクから劇的な変化は望めません。
ココがポイント
エクセルVBAは、一定の知識がなければ自動見積もりシステムを構築できない
3.自動見積もりソフトによる自動化のメリット・デメリット
近年では見積もりを自動化する専用ソフトが登場しています。自動見積もりソフトは見積もりに特化した機能を搭載しており、計算や算出を手軽に行えるメリットがあります。その一方で、自社システムや業務フローを変更する手間がかかるデメリットも。
ここでは、自動見積もりソフトによる見積もり自動化のメリット・デメリットを解説します。
3-1.メリット
専用の自動見積もりソフトを導入する何よりのメリットが、特化した業界ごとに特化した機能を利用できる点です。たとえば、図面などを読み取ってAIが価値を算出し、自動で見積もりを行えるソフトも登場しています。
見積もり担当の経験が浅くとも、均一化されたクオリティで見積もりをスピーディに行いやすいメリットがあります。
また、専用の自動見積もりには受発注管理や営業案件管理機能などが備わっているソフトも登場しており、それらと合わせて併用すれば、見積もり前後の業務を効率化できるのもポイントです。
受発注処理に移れば、請求書の発行や会計システムへの計上なども自動的に処理できるため、事務作業を効率化して営業などほかの業務へ注力しやすくなります。
ココがポイント
「見積もり業務」単体を自動化するなら専用ツールの利用がもっとも効率的
3-2.デメリット
自動見積もりソフトには、「導入にコストがかかる」「継続的なライセンス料がかかる」「初期費用が必要」などのデメリットが存在します。ソフトウェアの購入や更新、サポートといった費用はランニングコストとして必要不可欠です。
加えて、現状の見積もり業務フローを見直す必要があるのもデメリットのひとつ。自動見積もりソフトを使用する前提でどのように業務フローを進めるべきか、あらためて見直す必要があります。
また、業務効率を最大化するためにも、自社に必要な機能が過不足なく備わったソフトウェアを探すなど、見積もり業務を自動化するソフト選びには検討が必要です。
4.RPAによる見積もり自動化のメリット・デメリット
RPAツールを利用すれば、現状使用している見積もりソフトをそのまま自動化できるため、業務フローに影響を与えず効率化できるのがメリットです。一方で、ツールによって使い方が難しく、自社の状況に合った適切なソフトを選ばなければなりません。
ここでは、RPAによる見積もり自動化のメリット・デメリットを解説します。
4-1.メリット
RPAツールを使って見積もり業務を自動化する最大のメリットが、既存の業務フローを一切変更しなくてもよい点です。RPAツールは定型業務を自動化するソフトウェアとして、パソコン上のさまざまな操作を自動化できます。
そのため、手間のかかるデータ移行や取り込み作業を行わず、既存ソフトの操作をそのまま自動化することが可能です。
さらに、RPAツールは見積もり業務だけでなく、ほかにもさまざまなシステム間の連携をシームレスに行えるのもメリットのひとつ。現状の見積もりソフトで作成した見積もり書を顧客先へメール送付したり、自社システムへデータ転記をしたり、内容の正誤を照合するといった業務まで自動化できます。
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4-2.デメリット
RPAツールは見積もりの自動化だけでなく、その前後まで定型業務を自動化できる一方で、運用や導入に専門的な知識が求められる点がデメリットです。RPAツールを適切に動かすには、事前にシナリオと呼ばれる手順書を作成しなければなりません。
シナリオの作成は、マウスのドラッグ&ドロップで行えるソフトから、プログラミングスキルが求められるソフトまでさまざまです。
また、RPAツールで自動化した手順に変更点があると、その都度シナリオを作り直さなければならないのもデメリットのひとつ。業務の変更やソフトウェアのアップデートが行われたとき、自動化手順を再調整し直さなければ、正しい動作を行えなくなってしまいます。
5.まとめ
見積もり業務は、エクセルVBAから専用ソフト、RPAツールまでさまざまな方法で自動化できます。特に、見積もり業務を本格的に自動化したい場合は、専用ソフトなどを用いて算出すら自動化するのもポイントです。
一方で、見積もり自体を自動化しても「見積もり書を先方に送付」「顧客管理」「自社システムへの転記」などさまざまな作業が残っているのも事実です。そのようなときは、RPAツールを使用して見積もり業務のフロー全体を自動化してみるのをおすすめします。
RPAツールで見積もり作業を自動化すれば、見積もり書の作成だけでなく、自社システムへの転記やデータ転記、正誤確認まで効率化できます。
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