定型業務を自動化できるRPAツールには、主に「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類でシステムが分かれています。
それぞれ自動化できる業務や使いやすさなどが異なるため、効率化したい業務に合わせたRPAツールの選定が大切です。
この記事では、サーバー型RPAについて、デスクトップ・クラウド型との違いや、サーバー型RPAを使うメリット・デメリットをご紹介します。
サーバー型RPAの運用に必要な環境やスキルについても解説しますので、あわせてご参照ください。
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1.RPAの種類は大きく分けて3種類
RPAとは、人間がパソコン上で行うルーティン業務のほとんどを自動化できるツールです。業務をRPA化すれば作業効率の向上やヒューマンエラーの防止、人件費の削減など多くのメリットがあるため、現在大企業を中心に多くの企業で導入されています。
RPAツールには多様な製品が販売されていますが、システムの動作する場所で分けると「サーバー型」「デスクトップ型」「クラウド型」の3種類に分類できます。
サーバー型やクラウド型の違いによって、自動化できる業務や導入・保守にかかるコストが異なるため、効率化したい業務に合わせてRPAツールを導入するのがポイントです。
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2.サーバー型RPAの特徴
サーバー型RPAは自社で用意したサーバー上で動作するため、複数のパソコン末端を自動化したり、部門をまたいだ業務を自動化できたりと、機能性に優れたシステムです。
サーバー型のRPAツールならスキル次第でさまざまな業務を自動化できるとはいえ、いくつかデメリットもあります。
ここでは、サーバー型RPAの特長について、メリット・デメリットや自動化が向いている事例をご紹介します。
2-1.サーバー型のメリット・デメリット
サーバー型RPAのもっとも大きなメリットは、サーバー上で動作するシステムです。
自社サーバー上で動作するため「利用端末のスペックに左右されない」「セキュリティレベルを高く維持できる」「自動化の一元管理が可能」といった多くのメリットを持ちます。
一方で、クラウド型やデスクトップ型と比較すると、サーバー型RPAツールは導入のハードルが高くなってしまうデメリットがあります。
サーバー上にRPA環境を構築するには、開発や維持管理に専門知識を持つ人材が必要不可欠です。
人件費のほか、RPAの導入・運用・保守管理、サーバー維持費などコスト面の負担も大きくなります。
2-2.サーバー型の導入が向いているケース
サーバー型RPAは、大量の業務を自動化したい場合に向いているシステムです。サーバー上で動作する仕組みから、部門をまたいだ定型業務を自動化できるほか、膨大な数の作業内容も細かく設定できます。
そのためサーバー型RPAツールは、複数部門をまたぐ作業の自動化など、規模の大きいプロジェクトを効率化するのに最適です。また、サーバー型RPAツールはセキュリティリスクを抑えられるメリットも。
クラウド型RPAはインターネット接続が必要なため外部に情報が流出するおそれがありますが、サーバー型RPAなら自社のイントラネットだけで動作できます。
そのため、サーバー型RPAは個人情報や機密情報を取り扱う業務の自動化を考えているときにもおすすめのシステムです。
ココがポイント
サーバー型RPAは扱い方次第でさまざまな業務を自動化しやすい
3.デスクトップ型RPAの特徴
デスクトップ型RPAは各パソコン上で動作するシステムです。そのため、個人単位で行う小規模な業務を自動化しやすい特徴があります。
ここでは、デスクトップ型RPAのメリット・デメリットや、導入が向いているケースについてご紹介します。
3-1.デスクトップ型のメリット・デメリット
デスクトップ型RPAのメリットとして「導入の手間が少ない」「スモールスタートしやすい」などがあげられます。
デスクトップ型RPAはパソコンにインストールするだけで利用できるうえ、操作方法が簡単なソフトが多くなっているのもメリットのひとつ。
学習コストを抑えられるため、担当者単位で自分の業務に合わせた自動化を可能にします。
その特徴から小規模な業務の自動化に活用しやすく、デスクトップ型RPAはスモールスタートによる業務の効率化が可能です。
一方で、デスクトップ型RPAのデメリットは「自動化している間はパソコンが使えない」「ソフトによっては自動化の設定が一元管理できない」などがあげられます。業務の規模によってはデスクトップ型によるRPA化が向いていない可能性もあるので注意が必要です。
3-2.デスクトップ型の導入が向いているケース
スタッフ単位で個別にルーティン業務を効率化したい場合に、デスクトップ型RPAは有効です。
ユーザーフレンドリーなソフトが多いため、非エンジニアのスタッフが簡単に業務を自動化できた事例もあります。
スタッフ自身がRPA化に取り組めるため、大きな手間をかけずに業務を効率化できます。デスクトップ型RPAツールは部門・個人レベルの小規模な効率化向きのシステムです。
ココがポイント
デスクトップ型RPAは操作方法が簡単なソフトが多く、個人単位で導入しやすい
4.クラウド型RPAの特徴
クラウド型RPAはベンダーのクラウドサーバー上で動作するRPAシステムです。自社サーバーを用意しなくても導入できるメリットがある一方で、デスクトップ・サーバー型に比べていくつかの制限があります。
ここでは、クラウド型RPAのメリット・デメリットや、導入が向いているケースをご紹介します。
4-1.クラウド型のメリット・デメリット
クラウド型RPAは自社サーバーやパソコンにインストールする必要がなく、インターネット環境とブラウザが使える端末さえあれば利用できます。
契約すれば最短当日から使えるソフトも多く、利用できる手軽さがクラウド型RPAツールのメリットです。
一方で「インターネットに接続すれば使える」性質がデメリットにつながってしまうのも事実です。外部ネットワークに接続できない環境では利用できず、個人情報や機密情報を扱う業務ではセキュリティ面に一層気を配らなければなりません。
また、自動化できる業務はブラウザを使った作業に限られるため、自社システムなどを経由する一部手順はたとえ定型業務でも自動化できない可能性があります。
4-2.クラウド型の導入が向いているケース
クラウド型RPAは基本的に、Webブラウザ上の作業のみ自動化できます。普段からインターネットサービスを利用して業務を行っている場合や、インターネット上で情報収集など、Webブラウザで完結する作業の効率化に最適です。
また、導入・運用コストがあまりかからないため、小規模プロジェクトや個人レベルでの利用にも適しています。
ほかのシステムと比較して自由度は落ちてしまうものの、クラウド型RPAツールはコストを抑えて導入したいシーンにおすすめです。
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5.サーバー型RPAの運用に必要な設備やスキル
サーバー型RPAを利用するには、導入するツールに対応したサーバーの用意や、運用・管理のできる専門知識を持ったスタッフが必要です。
ここでは、サーバー型RPAの運用に必要な設備やスキルについてご紹介します。
5-1.RPAツールが動作するサーバー
サーバー型RPAツールは、ツールによって求められる導入環境が異なります。そのため、適したOSを導入した実機サーバーやクラウドサーバーが必要です。
RPAを構築する環境によってメリット・デメリットが異なるので、それぞれの特性を事前に把握しておく必要があります。
オンプレミス型(自社が管理する施設内に設置したサーバー)のRPAを導入する場合、セキュリティに強く、メンテナンスタイミングの調整がしやすいメリットがあります。
一方で、物理サーバーが必要になるため環境構築の時間がかかったり、導入コストが高かったりする点がデメリットです。
クラウドサーバー上にサーバー型RPAを導入する場合は、初期コストが抑えられるほか、必要に応じてストレージの拡張がしやすいメリットがあります。
一方で、インターネット接続をする必要があり、利用できる環境が限られる点がデメリットです。
5-2.サーバーダウンなどのトラブルへの対応スキル
サーバー型RPAを導入した自社サーバーが何らかの理由でダウンしたとき、RPAツールの動作が停止して業務がストップした事例もあります。クラウド型などはベンダー側が対応にあたってくれるものの、サーバー型RPAツールの多くはトラブルが起きたとき自社内で対応しなければいけません。
そのため、サーバー型RPAを利用する場合はトラブル対応ができる専門知識を持った人材が必要不可欠です。
場合によっては、ベンダー側からサポートを受けられる可能性もあります。導入後のサポート体制に応じてサーバーダウン等のトラブルをスピーディに解決できるかが異なるため、それらを比較検討するのもポイントです。
導入後のサポート体制が整っているRPAなら、自社のITスキルに不安を抱える場合でもトラブルに対応しやすくなります。
ココがポイント
サーバー型RPAの開発・運用管理を外注すればメリットだけを享受できるものの、コストが高くつく
6.まとめ
RPAツールは「サーバー型」「クラウド型」「デスクトップ型」の3種類に分類できます。なかでもサーバー型RPAはクラウド型・デスクトップ型と比較して、非常に多くの業務を自動化・管理ができるため、会社全体や部門を横断した業務効率化に長けています。
しかし、サーバー型RPAの導入や保守管理はハードルが高いのも事実です。
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