働き方改革や生産性向上など、企業を取り巻く環境が刻一刻と変化するなかでRPA(Robotic Process Automation)が注目を集めています。
いままで人が行っていた単純作業もRPAによる自動化ツールで代行すれば、人材不足の解消に繋がります。しかし、いまだRPAの普及率は低いのが現状です。
そのため、特にRPAの導入を検討段階の中小企業にとって、実際にどのような効果が得られるのか導入事例を知りたい方も少なくありません。
そこで本記事では、RPAとは何か、概要スタートやRPAの導入が必要な理由、導入後のメリット・デメリット、RPAの効果、導入手順などを徹底解説します。
RPAの導入事例も合わせてご紹介するため、今後RPAを導入しようかとご検討されている事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。
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1.RPAとは
RPAとは、ホワイトカラーのデスクワークなどを代行するロボットを指します。
登録した定型業務を繰り返す仕組みで、人件費を削減しつつ業務の効率化を図れる点がメリットです。業務の自動化なども含め、RPAを導入することは「RPA化」とも呼ばれています。
RPAで言うロボットには、人型のコミュニケーションロボットやアーム型の産業ロボットのような実体がありません。RPAはパソコンやサーバーにインストールするソフトウェア型のロボットです。
RPAで業務を自動化するには、人が行っている業務の作業手順を「シナリオ」としてロボットに覚えさせる必要があります。たとえば、Excel内のデータを会計システムに転記する業務があったとしましょう。
RPAで上記の転記業務を自動化するには、次のようなシナリオをロボットに覚えさせます。
- Excelを起動する
- 転記したい情報のあるセルにカーソルを合わせる
- セル内の情報をコピーする
- 会計システムを起動する
- 会計システム上で情報を貼り付けたい場所へカーソルを合わせる
- コピーした情報を貼り付ける
上記のシナリオは簡略化しており、実際にはより細分化して登録しなければならない場合もあります。基本的にはシナリオに沿った動きを繰り返すため、RPAで自動化できる業務はシナリオが作れる業務のみです。
つまり、都度作業手順が変わる不定形な業務や、高度な判断が必要な業務はRPAで自動化できません。RPAで自動化できるのは、シナリオ化のしやすい単純作業や定型業務に限られています。
RPAは非常に便利なツールではあるものの、どのような業務でも自動化できる魔法のようなツールではない点にご注意ください。
ココがポイント
RPAは人件費を削減しつつ業務の効率化を図れる点がメリットである。
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2.RPAの意味
そもそも、RPAとはどのような意味の言葉かご存じでしょうか。
RPAの正式名称は「ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)」であり、頭文字を取ってRPAと呼ばれています。直訳すると「ロボットによる業務の自動化」を表す意味の言葉です。
ロボットによって業務の自動化を図る仕組みが「RPA」とはいえ、よく似た自動化ツールは以前から存在していました。しかし、「RPA」や「RPA化」といった言葉が浸透し、注目され始めたのは2015年頃からとされています。
現在ではRPAの市場は順調に拡大し続けており、導入企業数は右肩上がりとなっています。まだまだ大手企業が中心ではあるものの、さまざまな事例をもとに業務の効率化を図る企業があとを絶たない状況です。
今では、RPAは単なるソフトウェア型ロボットの域を超えつつあり、「仮想知的労働者」や「デジタルレイバー(Digital Labor)」とも呼ばれています。
RPAを労働者の一人として捉えた言葉であり、企業から見たRPAとはどのような存在か、その存在価値の大きさが分かります。
ココがポイント
RPA市場は拡大を続けており、導入企業は右肩上がりに増えている。
3.RPAの特徴
ここでは、RPAの主な特徴として3つのメリットをご紹介します。
- 特徴①:幅広い業務を自動化できる
- 特徴②:設定が簡単で誰でも利用できる
- 特徴③:ミスなく長時間稼働できる
3-1.特徴①:幅広い業務を自動化できる
ホワイトカラーのデスクワークには、多くの単純作業や繰り返し行われる定型業務があります。
RPAは、そのような“人がやると手間で時間のかかる業務”を代行してくれるシステムです。ブラウザやExcel、システムなど複数のアプリケーションを使用して行う業務でも、RPAなら業務の自動化を図れます。
3-2.特徴②:設定が簡単で誰でも利用できる
RPAはITベンダーによって開発されたソフトウェアであり、パソコンやサーバーにインストールして利用できます。
自社で独自に開発する必要はなく、自動化したい業務をRPAに覚えさせるだけで業務を効率化できる点が特徴です。
業務を覚えさせる際にプログラミングなどの専門スキルを必要としないRPAツールも多く、画面記録やマウスでのドラッグ&ドロップによって誰でも簡単にRPAを扱えるメリットがあります。
3-3.特徴③:ミスなく長時間稼働できる
RPAはソフトウェア型のロボットであり、24時間365日働き続けられます。
人が作業をするよりも倍以上の業務量をこなせるため、RPAにできる業務はシステム化することで生産性が向上します。 また、ヒューマンエラーなどのミスが起こらないため、業務品質も高い特徴を持ちます。
4.RPAが必要な理由
上述した通り、RPAの市場は順調に拡大し続けており、導入する企業が増加しています。RPAが注目を集めている主な理由として、次の3つが挙げられます。
- 人材不足が深刻化しているため
- 働き方改革を促進するため
- ブルーカラーの業務で自動化が進んだため
それぞれ詳しくご紹介します。
4-1.理由①:人材不足が深刻化しているため
1つ目の理由は、人材不足の進む日本で労働力としてRPAを活用するためです。
国家の労働力を測る指標として、生産年齢人口があります。生産年齢人口とは、労働力の中核を担う15〜65歳までの人口を指しますが、日本の生産年齢人口は1995年をピークに減少を続けています。
その主要な原因は少子高齢化の進行です。現在、ほぼ全ての業界で人手不足が課題になっており、企業が新しく人材を採用したいと思ってもなかなか採用できない状況が続いています。
少子高齢化が進むなかで人手不足が改善される見込みも少ないため、新たな労働力としてRPAを導入する企業が増加しているのです。
ココがポイント
少子高齢化が進む日本の新たな労働力として、RPAを導入する企業が増加している。
4-2.理由②:働き方改革を促進するため
2つ目の理由は、大企業だけでなく中小企業にも広がっている働き方改革を促進するためです。
企業には、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、働く人々のニーズの多様化といった課題への対応が求められています。
これらの課題を解消するためには、非効率な業務が原因の長時間労働や休日出勤を減らしていき、少ない人数と少ない勤務時間で従来の生産性を維持しなければなりません。そのような働き方改革で役立つのが、RPAです。
RPAを導入すれば、デスクワークの一部を自動化できます。人が担っていた業務の一部をRPAで自動化すれば人の負担が減り、結果として労働環境が改善される点は見逃せません。
また、人は人にしかできない付加価値の高いクリエイティブな業務に集中できるようになるため、生産性の向上も期待できます。
ココがポイント
業務の一部をRPAで自動化することで、人の負担が減り労働環境の改善が図れる。
4-3.理由③:ブルーカラーの業務で自動化が進んだため
仕事の特徴を表す用語として、「ホワイトカラー」や「ブルーカラー」があります。
ホワイトカラーはワイシャツを着て業務をする頭脳労働を示しており、オフィスでのデスクワークなどが該当します。もうひとつのブルーカラーは、作業着を着て行う肉体労働を示しており、工場でのモノづくりなどが代表例です。
ブルーカラーの業務はロボットなどによって徐々に自動化され、生産性は飛躍的に向上してきました。その一方で、ホワイトカラーの業務はほとんど自動化が進んでおらず、生産性はいまだ低いままです。
そこで、ブルーカラーに続いてホワイトカラーの業務も生産性を向上させる動きが高まっており、近年ではRPAが注目されています。
5.RPAと他の自動化ツールとの違い
ホワイトカラーの業務を自動化できるツールは、RPAだけではありません。
ここでは、RPAと他の自動化ツールとの違いについて解説します。
- AIとの違いについて
- Excelマクロとの違いについて
- botとの違いについて
5-1.AIとの違いについて
RPAとよく混同されるのが、AI(人工知能)です。実際のところ、RPAのなかにはAIを搭載しているソフトもあるため、間違えやすいのも無理はありません。
RPAは人の「手」の代わりだとよく例えられます。
RPA自体はあらかじめ覚えたシナリオ通りの動きしかできず、人のように状況に応じた判断はできません。しかし、AIは人の「脳」の代わりになり得るものであり、過去の経験則や蓄積されたデータを元にして思考し、判断ができます。
AIの得意分野は、複雑な情報処理や状況に応じた判断を伴う業務です。一方、RPAの得意分野は、単純でイレギュラーが起こりづらい定型的な業務です。
どちらもある種のロボットではあるものの、AIはRPAとは役割が異なる点を抑えておきましょう。
ココに注意
RPAは状況に応じた判断はできないため、単純で定型的な業務を得意分野とする。
5-2.Excelマクロとの違いについて
表計算ソフトのExcelには、プログラミング言語のVBAを用いたマクロと呼ばれる自動化機能があります。Excelのマクロ機能とRPAの大きな違いは、自動化できる作業範囲です。
Excelのマクロ機能は、ExcelやOfficeソフト内の業務しか自動化できません。しかし、RPAならExcelはもちろんのこと、ブラウザやメールアプリ、会計システムといった多種多様なアプリケーションの業務を自動化できます。
Excelマクロとは違って、RPAは幅広いシステム間で活用できる強みを持っています。
ココがポイント
RPAはブラウザやメールアプリなど、多種多様なアプリケーションの業務を自動化できる。
5-3.botとの違いについて
botはあらかじめ決められた動作を繰り返すツールであり、RPAの特徴とよく似ています。
botとRPAの違いは、プログラミングを必要とするかどうかです。botを開発したり、動作を覚えさせたりするにはプログラミングの知識が必要です。
一方、RPAは利用するツール次第でプログラミングの知識が必要ありません。
プログラミングの知識を持たない人でも、RPAを使えば業務の自動化がしやすいメリットがあります。
6.RPA化できる業務
ここまで、「RPAとはホワイトカラーのデスクワークを自動化するツール」、「単純作業や定型業務の自動化が得意」などの特徴を紹介しました。
では、実際にRPAで自動化できる作業はどのようなものか、業務例をみていきましょう。
- 財務・経理
- 人事・総務
- マーケティング
- 営業
- 購買
- カスタマーサポート
部門別にRPAで自動化できる業務をまとめてご紹介します。
6-1.財務・経理
- 売掛金や買掛金の処理業務
- 入金管理
- 会計ソフトへの転記や仕訳入力
- 固定資産管理
- 交通費精算・経費精算
- 財務レポートの作成
6-2.人事・総務
- 長時間労働や有給休暇消化率などの労務管理
- 給与明細や人事考課の作成
- 採用活動における応募者の情報管理
- 転職サービスでのスカウトメールの送付
6-3.マーケティング
- Webサイトでの情報収集
- 口コミやレビューの集計
- アンケート結果の集計
- アクセスデータの集計
6-4.営業
- 受発注管理
- 見積書の作成
- 見込み顧客リストの作成
- 在庫状況のメール通知
- 販売状況のメール通知
- 営業日報の作成
6-5.購買
- 発注管理
- 発注書のメール送付
- 在庫状況のメール通知
6-6.カスタマーサポート
- 問い合わせへの自動応答
- 問い合わせ内容の集計
- 電話応対中の情報提供
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7.RPA化のメリットについて解説
ここでは、RPAの導入による主なメリットとして5つのポイントをご紹介します。
- 業務自動化による人手不足の解消
- 働き方改革への貢献
- 業務量の向上
- ヒューマンエラーの防止
- 企業価値の向上
どのようなメリットがあるのか、知っていただければ幸いです。
7-1.業務自動化による人手不足の解消
RPAとはパソコンを使った業務の一部を人の代わりに行うツールです。
ミスなく正確な仕事をする労働力として、企業の人手不足解消に役立ちます。今後、少子高齢化が進み人材の確保が難しくなる日本の企業にとって、業務の自動化を図れるRPAがますます需要を高めていくのは明白です。
7-2.働き方改革への貢献
RPAが得意とする単純作業や定型業務は、人がやり続けるのは大変な業務です。RPAを導入して業務の自動化を進めれば、人の負担が減って働きやすい職場環境を創れます。
長時間労働や休日出勤の是正にもつながるため、働き方改革の実現に貢献できます。
7-3.業務量の向上
RPAはソフトウェア型のロボットなので、休憩を取らずに24時間365日働き続けられます。
複数の人が行っていた業務をRPA1台でこなす事例もあり、こなせる業務量が大幅に向上するメリットは見逃せません。
7-4.ヒューマンエラーの防止
人が作業すると、疲れや不注意によってミスなどのヒューマンエラーが起きてしまうことも。
結果として二重チェックや修正の手間が増えてしまい、生産性が低下する原因にもなります。
RPAなら、あらかじめ指示したシナリオに沿ってミスなく確実に業務を遂行できる点がメリットです。
RPAに業務を任せれば、職場全体の作業品質向上を期待できます。
7-5.企業価値の向上
RPA化によって業務を自動化すれば、人は人にしかできない付加価値の高い業務に集中できます。
一人ひとりのスキルをクリエイティブな業務に注力できるため、企業としての競争力も飛躍的に高まる効果が期待できます。
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8.RPA化のデメリットについて解説
RPA化にはさまざまなメリットがある一方で、デメリットがあるのも事実です。
業務の自動化を図るツールがRPAとはいえ、すべてが万能ではない点にご注意ください。
RPAの代表的なデメリットは以下のとおりです。
- 例外的な処理には弱い
- 設定ミスが起こる可能性がある
- 導入にコストがかかる
メリットとデメリットの両方を把握し、RPAを正しく理解してください。
8-1.例外的な処理には弱い
RPAはあらかじめ設定されたルールや作業手順通りに動くツールです。
単調な反復作業や定型業務をミス無くこなせるメリットがあるものの、例外的な処理に弱いデメリットがあります。
ルールに合致しないデータが入っていたり、画面表示が通常と異なったりするとロボットが停止して業務が一時的にストップする可能性も。また、複雑な条件分岐や状況に応じた判断には対応できないRPAツールが多いため、注意が必要です。
8-2.設定ミスが起こる可能性がある
RPAは自分が行った業務のアウトプットが正しいかどうかを判断できません。もし事前の登録設定を間違えていた場合、間違った作業を延々と繰り返すため設定ミスには注意が必要です。
プログラミングのような高度なITスキルを持たない人でも扱えるとはいえ、最低限のITスキルとRPAの基本的な仕組みを担当者に浸透させる必要があります。
8-3.導入にコストがかかる
RPAツールの多くは有料となっているため導入コストがかかります。
ツールによって価格帯は異なり、高機能なRPAは数十万から数百万円かかる場合もあるため、費用対効果を測った上で導入すべきです。
9.RPAの導入効果について
RPAの導入によって、企業は定量・定性的な効果を得られます。
定量的効果とは、業務量や人件費など具体的な数値で測れる効果です。
たとえば、ある企業ではRPAの導入によって、同じ業務を従来の3倍以上こなせるようになりました。また、別の企業ではRPAの導入でそれまで2人で行っていた業務をRPA1台でこなせるようになった結果、より重要な業務に時間を使えるようになりました。
上記はRPAの導入によって得られた定量的な効果であり、生産性・費用対効果を考える上で重要な指標です。
もう1つの定性的な効果とは、数値化が難しい効果です。
たとえば、従業員の働きやすさの向上や企業価値の向上はRPAの導入メリットとして挙げられます。しかし、いずれも感覚的な部分が多く、数値を伴わない評価が難しい傾向にあります。
とはいえ、企業にとっては定性的な効果も重要な指標であるため、定量的な効果と併せてRPA導入による費用対効果の検討がベストです。
ココがポイント
RPA導入による費用対効果は、定量的な効果と定性的な効果を併せて検討すべきである。
10.RPAにおける自動化レベルの種類
RPAは自動化できる業務レベルによって、3つのクラスに分類されています。
現在普及しているRPAのほとんどはクラス1ですが、今後はクラス2、クラス3のRPAも広がっていくと期待されています。
ここでは、自動化レベルにおける3つのクラスをそれぞれ解説します。
- クラス1:RPA(Robotic Process Automation)
- クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)
- クラス3:CA(Cognitive Automation)
クラスによってどんな違いがあるのか、みていきましょう。
10-1.クラス1:RPA(Robotic Process Automation)
クラス1でできる作業は、定型業務の自動化です。
作業手順や内容が明確に決まっている単純作業であれば自動化できます。作業手順や内容が変わると、その都度設定をやり直さなくてはなりません。
クラス1の対象となる業務例は次の通りです。
それに加えて「RPA化できる業務」で記載した業務のほとんどが該当します。
- データ入力
- データ照合
- 通知業務
10-2.クラス2:EPA(Enhanced Process Automation)
クラス2のRPAは「EPA」と呼ばれます。
「Enhanced」は「強化された」という意味です。
クラス2になると、AIを搭載してある程度の業務は自ら考えて動作するようになり、イレギュラーな状況も対応できます。
クラス2の対象となる業務例は次の通りです。
- 非構造化データの含まれる定型業務
- データの解析
- 過去のデータを元にした予測
10-3.クラス3:CA(Cognitive Automation)
クラス3のRPAは「CA」と呼ばれるようになります。
「Cognitive」は「認識」という意味です。
クラス3では高度なAIが自ら適切な作業手順やアウトプットを考えて動くようになります。
クラス3の自動化では人が設定をする必要がほとんどなく、真の意味で業務の自動化が実現した状態です。
クラス3で自動化できる業務の例は次の通りです。
- 業務プロセスの分析や改善
- ビッグデータの分析やそれを元にした意思決定
- 自然言語の処理
11.RPAの導入手順について
RPAの導入を本格的に検討する際に、どのような手順で進めればよいのでしょうか。
企業規模や業界、業務内容によって若干異なる場合がありますが、おおまかな流れをご紹介します。
- 手順①:業務の見直し
- 手順②:RPAで自動化したい業務の選定
- 手順③:RPAツールの選定
- 手順④:テスト導入
- 手順⑤:本導入
各手順で何を行い、何を考えるべきかを解説するので、ぜひ参考にしてください。
11-1.手順①:業務の見直し
まずは、ホワイトワーカーのデスクワークとしてどんな業務を行っているか、現状の把握を行います。
業務の見直し段階では、RPAで自動化できるか否かはあまり意識せず、すべての業務を洗い出します。
その後は、以下の視点から業務内容の見直しが重要です。
- その業務は必要なのか?何のために行っているのか?
- 他の業務と重複していたり、二重作業になっていたりしないか?
- 現在の業務フローは最適なのか?別のやり方はできないか?
こういった視点で考えると、「そもそもやらなくてもよいムダな業務」を無くせたり、手間のかかる作業手順を改善できたりする効果があります。
業務の見直しを図るだけでも生産性の向上効果が期待できるのは間違いありません。
11-2.手順②:RPAで自動化したい業務の選定
手順①で業務の見直しを行った上で、RPAで自動化したい業務を選定します。
まずは、RPAで自動化できる業務かどうかで絞り込んでいきましょう。
その上で、自動化したい業務に現状どれくらいの手間とコストがかかるかをできる限り数値で測り、優先度を付けます。
すべての業務を自動化しようとするとRPAの選択肢が狭まってしまうため、優先度の高い定型業務から取り組むことをおすすめします。
11-3.手順③:RPAツールの選定
自動化したい業務が定まったら、次はどのRPAツールを導入するかを選定します。
具体的な選定基準については、後述する「RPAツールの選び方」を参考にしてください。また、選定するときは一人で決めるのではなく、実際に運用する現場の声など複数人で議論しながらツールを選定すると、業務のRPA化がスムーズに行く事例もあります。
11-4.手順④:テスト導入
多くのRPAツールは無料トライアル期間が設けられているため、実際にRPAツールを使って使用感を確かめるのもポイントです。
RPAのテスト導入時は、実際に使用する担当者がテスターとして運用することをおすすめします。
使ってみて初めて気づく問題点や改善案も多いので、テスト導入の結果を踏まえて再度RPAツールを比較検討しましょう。
11-5.手順⑤:本導入
テスト導入の結果を踏まえてどのRPAツールを導入するかを最終決定し、本導入を進めます。
RPAの本導入に当たっては、いきなりすべての業務を自動化するのではなく、取り組みやすい業務からRPA化を進めます。
その後、RPAを浸透させ徐々に横展開していくのも本導入を進めるコツです。また、「自動化したら終わり」ではなく、導入時に期待した効果が出ているかを評価し、継続的な改善を続けてRPAを最大限活用できているか検討を行いましょう。
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12.RPAツールの選び方
現在は多くのITベンダーからRPAツールが提供されています。
その中で「自社に合ったツール選定できるか不安」と考える方も少なくないようです。
ここでは、RPAツールの選び方として選ぶときのポイントを4つ紹介します。
- 選び方①:デスクトップ型かサーバー型か
- 選び方②:汎用型か特化型か
- 選び方③:社内システムとの適合性はあるか
- 選び方④:カスタマーサポートは充実しているか
それぞれ詳しくみていきましょう。
12-1.選び方①:デスクトップまたはサーバー型か
RPAツールは、大きく分けるとデスクトップ型とサーバー型の2種類があります。
デスクトップ型はパソコン1台で1つのRPAツールを管理するツールで、サーバー型は1つのサーバーを通して複数のパソコンでRPAツールを運用するシステムです。
一般的には、小規模に導入したい場合はデスクトップ型を、大規模に導入したい場合はサーバー型を選ぶとコストパフォーマンスがよくなります。
12-2.選び方②:汎用型か特化型か
RPAツールには、汎用型と特化型という分け方もあります。
汎用型は幅広い業務を自動化できる仕様で、特化型は特定業務の自動化に特化したシステムです。
一見すると汎用型の方が優れているように感じるかもしれません。しかし、特化型は作業手順のテンプレートが整備されているなど、特定業務の自動化において使い勝手がよい傾向にあります。
自動化したい業務がどのような内容かに合わせて、汎用型と特化型の中から選定しましょう。
12-3.選び方③:社内システムとの適合性はあるか
RPAはさまざまなアプリケーションに適合しているソフトが多いです。しかし、念のため社内システムと導入したいRPAツールの適合性があるかを確かめておきましょう。
導入後に「適合性がない」となってしまえば、RPAの運用開始までに掛かった労力がムダになってしまいます。
12-4.選び方④:カスタマーサポートは充実しているか
カスタマーサポートの充実度は、RPAツールの選定において重要なポイントです。
「設定の仕方が分からない」「RPAが突然止まってしまった」といったトラブル発生時にすぐにサポートしてくれる体制があるかどうかが、使い勝手に大きく影響します。
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13.RPAの活用事例について
ここでは、実際にRPAを導入している企業の事例を紹介します。
- 金融業での活用事例
- 通信業での活用事例
各企業がRPAでどのような業務を自動化しているのか、みてみましょう。
13-1.金融機関での活用事例
ある地本金融機関では、税務調査に関する資料作成のためにRPAを導入しました。
口座情報や取引情報が複数のデータベースに登録されており、それぞれで検索をして必要な情報を取得しなければならず、大変な手間になっていたようです。
そこで、複数のデータベースから必要な情報を取得し書類へ転記する業務をRPAで自動化しました。
それにより、資料作成にかかる時間を70%以上短縮。年間で15,000時間もの工数削減に成功した事例があります。
13-2.通信業での活用事例
ある大手通信事業者では、カスタマーサポート部門にRPAを導入しました。
この事業者では、顧客の契約変更を受け付ける際にオペレーターが複数のシステムを利用してさまざまな内容を登録・確認していましたが、オペレーターの負担が大きく業務時間が長くなる点がネックに。結果として、人件費の増加が大きな課題だったといいます。
そこで、オペレーターのサポート役としてRPAを導入しました。
データの入力支援やガイドといったRPAのサポートでオペレーターの作業時間は約70%削減。
年間で約1,800万円のコスト削減効果を得られました。
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14.RPAツール「RaBit」の特徴
最後に、当社が開発・提供しているRPAツール「RaBit」についてご紹介します。
「RaBit」は働き方改革や生産性向上に取り組んでいる多くのお客様に導入していただいており、次のような特徴を持っています。
- 扱いやすい汎用型のRPAツール
- 中小希望でも導入しやすいリーズナブルさ
- 充実のサポート体制で自動化を推進
14-1.扱いやすい汎用型のRPAツール
「RaBit」は汎用型のRPAツールであり、入力・転記・ソフト操作・データ取得・書類作成・精算処理・整合性チェック・情報収集といったパソコン業務を自動化できます。
プログラミングなどの高度なITスキルは不要のため、どなたでも簡単にご利用いただけます。
14-2.中小企業でも導入しやすいリーズナブルさ
「RaBit」の魅力は初期費用6万円、月額1万円から導入できるリーズナブルさであり、数多くあるRPAツールの中でも圧倒的に低価格です。
中小企業のお客様でも導入しやすく、手軽に業務の自動化に取り組んでいただけます。
14-3.充実のサポート体制で自動化を推進
「RaBit」はお客様へのヒアリングから納品までを最短4日間で実施しています。
オーダーメイドの設定まで完了した状態で納品するため、すぐに自動化の効果を実感していただけます。また、RPAに熟知した150名以上のスタッフによる丁寧なサポート体制を完備しており、導入後のトラブルも迅速に対応可能です。