RPA・自動化に関するお役立ち情報

【12の業界・業種別】RPAの活用事例を紹介!導入する際のポイントも

働き方改革によって労働環境や労働時間の見直しが進むなか、業務を自動化できるツール「RPA」の導入が推進されています。

しかし、RPAの導入に対して以下のような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。

  • 「RPAでは何ができるの?」
  • 「RPAの活用事例を知りたい」

そこで本記事では、12つの業界・業種別でRPAの活用事例を紹介します。実際にRPAは、どのような業界でも業務の効率化に活かせるツールです。

この記事を読んで、RPAでできることやRPA導入を成功させるポイントを知り、導入する具体的なイメージを掴んでください。

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 1.RPAとは?

RPAとは?

RPAの正式名称は「Robotic Process Automation(ロボティックプロセスオートメーション)」です。日本語に訳すと、「ロボットによる業務の自動化」の意味を持ちます。

RPAはソフトウェア型のロボットがパソコンで行う単純作業や定型業務を代行してくれるツールで、パソコンやサーバー内にインストールして利用します。

RPAに対して、どのような業務をしてほしいかや、その業務を遂行する上での手順やルールをシステムに細かく設定すれば、ロボットが自動で動く仕組みです。

人やAI(人工知能)のように自ら考える業務は遂行できないものの、決められた手順やルールに沿って確実に業務をこなしてくれます。

RPAは「デジタルレイバー」や「仮想知的労働者」とも呼ばれており、さまざまな業界・業種で新たな労働力として活用され始めています。

人手不足の解消や働き方改革の実現に向けて、以前まで人の手で行っていた手間のかかる業務を自動化しようと考える企業が増えている状況です。

実際に、ある調査によるとRPAの導入率は年商50億円以上の大手・中堅企業で約37%、年商50億円以下の中小企業で約10%となっており、年々上昇傾向にあります。今後もRPAの導入は加速していくと考えられます。

ココがポイント


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 2.RPAでできること

RPAでできること

RPAでは、パソコンを使った単純作業や定型業務を自動化できます。

ただし、どのような業務でも自動化できるわけではなく、都度手順が変わったり、高度な判断力が求められたりする業務は得意ではありません。

RPAを自身の業界で有効活用するには、RPAでできることを正しく理解した上で導入すべきだといえます。

では、実際にRPAはどのような業務であれば対応できるのでしょうか。
RPAの主な用途をいくつかご紹介します。

  • パソコン上でのデータ収集
  • 定型業務の自動化
  • 電話やメール対応の自動化
  • データ入力の自動化

 2-1.パソコン上でのデータ収集

RPAは、パソコン上のデータ収集や分析業務を自動化できます。

たとえば、インターネット上で顧客情報を検索して見込み顧客のリストを作ったり、自社製品の口コミやレビューを取得してレポートにまとめたりする用途です。

データ収集業務を人の手で行うのは非常に手間ですが、RPAであれば素早くかつ漏れなくデータ収集を行えます。

また、社内システムやExcelから必要な情報を収集して1つのファイルにまとめるといった業務も、RPAであれば自動化が可能です。データの収集業務は幅広い業界に存在するため、RPAも同じく幅広いシーンで利用できます。

 2-2.定型業務の自動化

RPAが得意なのは、手順やルールが明確に決まっていて繰り返し行われる定型業務です。オフィス内で行われている業務を整理すると、必ずしも人がやらなくてもよい単純作業や反復作業が数多く見つかります。

たとえば、社内システムから必要な情報を抜き取って定例会議で使用するレポートを作成する業務は、毎週・毎月と同じ作業の繰り返しで非常に手間がかかります。

しかし、必要な情報やレポートのフォーマットが決まっていれば、RPAで自動化が可能です。単純ではあるものの手間がかかる業務もRPAを使って自動化すれば、企業の生産性は大きく向上します。

 2-3.電話やメール対応の自動化

RPAでは、電話やメール対応の一部も自動化できます。

Webサイト上の問い合わせに対する一次対応は、定型的な文章による自動応答メールで自動化可能です。よくある問い合わせに対して都度人が対応する必要がなくなるため、業務の負担も軽減できます。

また、電話の応対は人でなければできないと考えがちですが、なかには自動音声を活用してオペレーション対応を自動化する事例があるのも事実です。

最近ではAIを搭載したRPAも活用され始めており、自然言語解析の機能によってコールセンター業務の一部を自動化できた事例もあります。これからRPAの技術が進歩すれば、自動化できる範囲がさらに広がるのは間違いありません。

ココがポイント


RPAはほかのツールと組み合わせることでさらなる業務の自動化を実施できる

 2-4.データ入力の自動化

データ入力業務の多くは単なるコピー&ペーストであり、人がやらなくてもよい業務の代表格です。異なるソフトやシステム間でのデータ転記作業は、同じ作業の繰り返しのためRPAを使った自動化に適しており、幅広い業界で人の工数を大幅に削減できます。

データ入力業務は月末や月初に集中しがちで、その期間は担当者の残業時間が多くなりやすいものの、RPAで自動化すれば担当者の負担を減らせます。

また、RPAを活用すれば業界ごとのデータ入力業務におけるヒューマンエラーを防ぎやすい点はメリットです。

ソフトウェアであるRPAは長時間同じ業務を繰り返してもミスを起こさないため、業務品質の向上にもつながります。

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 3.RPAの活用事例を業界・業種別に紹介!

RPAの活用事例を業界・業種別に紹介!

RPAによる自動化の対象はパソコンを使った業務のため、あらゆる業界・業種で効率化のために活用できます。

ここでは、12の業界・業種別にRPAの活用事例をご紹介します。

  • 製造業界
  • 会計事務所
  • 物流業界
  • 保険業界
  • 人材業界
  • 地方自治体
  • 不動産業界
  • 商社業界
  • マーケティング業界
  • 事務職
  • 営業
  • 人事

自社の属する業界・業種はもちろん、ほかの業界・業種でRPAがどのように使われているかを知るために役立てていただければ幸いです。

 3-1.製造業

モノづくりを行う製造業界にはパソコンを使った事務作業も数多くあり、RPAでの自動化が進められています。

たとえば、食品メーカーでは得意先企業から届く受注データやPOSデータをダウンロードする作業を自動化する例が増えています。

RPAで自動化すれば作業時間が浮き、その分ほかの業務に割り当てられるため、担当者の作業能率も効率化が可能です。

製造業界ではほかにも、受注処理の自動化や在庫状況の自動通知などもRPAによって実現できます。

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 3-2.会計事務所

経理・会計業務を専門的に行う会計事務所でも、RPAが積極的に活用されています。

会計業務は毎日・毎月といったように定期的に同じ作業を繰り返す業務が多くあり、扱う情報量も膨大です。
また、お金を扱う関係上、ミスが許されないため自動化が求められてきました。

そんな背景から、会計システムへの入力作業や経費精算・交通費精算の自動化などがRPAによって行われつつあります。
RPAなら記載漏れや計算ミスを防げるため、会計業務の品質が向上する点もメリットです。

最近では、AI-OCRと呼ばれる高度な文字認識機能と連携したRPAも登場しており、手書きの帳票を読み取り・デジタルデータ化して管理する企業も増えています。

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 3-3.物流業界

物品の配送を担う物流業界は、ECサイトの普及に伴って配達量が増えており、人材不足に陥っている状況です。そこで、各種伝票の作成や配車、輸出入関連の書類作成といった事務作業をRPAで自動化する動きが活発化しています。

実際に物流業界では、納品書や送り状の発行といった単純な業務が数多くあります。

これらの業務の自動化を進めていけば、配達量の増加にも対応しやすくなるのは間違いありません。

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 3-4.保険業界

生命保険や損害保険を扱う保険業界は、パソコンを使った事務作業が特に多い業界です。たとえば、契約業務では申込書の記載内容を人の手でシステムに転記しており、膨大な工数がかかります。

また、申込内容に基づいた引受査定もすべて人の手で行っており、一つひとつの契約処理に時間を要していました。

保険業界が抱える定型業務も、RPAによる自動化や効率化が可能です。

実際に、大手損害保険会社では年間数千時間の工数削減に成功した例もあり、RPAの導入効果が大きくなっています。

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 3-5.人材業界

企業の採用活動や求職者の就職活動を支援する人材業界では、膨大な量の求人情報や求職者情報を扱うため、RPAが積極的に活用されています。

パソコンを使ったデスクワークも多く、RPA化に適した業務が多いのも特徴です。

たとえば、「自社の求人サイトへの求人情報の掲載」「スカウトメールの自動送信」「自社データベースの求人情報・求職者情報の更新」などにRPAが活用されています。

RPAがこれらの業務を自動で行ってくれれば、従業員は企業や求職者に対するサービスに集中できるようになり、顧客満足度の向上につながると期待されています。

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 3-6.地方自治体

RPAは民間企業だけでなく、地方自治体においても積極的に導入されています。膨大な量の申請書類を処理したり、住民の情報管理を行ったりする地方自治体の業務は、RPAでの自動化に最適です。

たとえば、申請書類の処理業務では複数のシステムを同時に照会して情報を取得する必要があり、業務が煩雑となってしまいます。

RPAは複数のシステムを同時に開いて動かせるため、各システムから必要な情報を自動で取得して担当者の負担を軽減できます。

ほかにも、職員の給与計算やふるさと納税、介護保険といったさまざまな業務にRPAが適用可能です。

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 3-7.不動産業界

アナログなイメージが強い不動産業界ですが、業務の効率化を目指してRPAを導入する企業が増えています。

たとえば、多くの物件情報を扱う不動産仲介業者では情報の鮮度が重要です。空室状況などをリアルタイムに把握するために、RPAによる自動更新を行っている場合があります。

また、RPAがデータベース内の情報を検索して自動返答する仕組みで、顧客からの問い合わせ対応をスピーディに行っている例もあります。

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 3-8.商社業界

膨大な量の商材を扱うことが多い商社業界では、取引先との受発注業務の効率化が求められます。

「顧客からの受注情報をシステムに入力する」「在庫不足になった商材を仕入れ先に自動発注する」といった形でRPAを活用すれば、担当者は顧客への営業活動や企画に専念できます。

また、商社の業務の中で手間がかかるのが顧客からの在庫状況や標準価格の問い合わせですが、RPAなら商社業界における問い合わせへの自動応答も実現可能です。

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 3-9.マーケティング業界

市場調査や商品企画で膨大な量のデータを扱うマーケティング業界でも、RPAが活用されています。

インターネットを通じた情報収集やアンケート結果の集計をRPAに任せれば、人は集まったデータの分析や企画に集中できるためです。

また、顧客に訴求するための広告運用においても、「アクセス解析の結果を集計してレポートにまとめる」「SNSへの投稿を自動化する」といった形でRPAを活用できます。

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 3-10.事務職

事務職は企業が円滑に運営できるようにさまざまな業務を行っています。それらの業務の多くはパソコンを使ったデスクワークであり、RPAで自動化できる作業が大半です。

データの入力や集計、照合、レポートの作成といった事務職の作業をRPAで自動化すれば、コスト削減や生産性向上を実現できます。

大手金融機関では、事務作業のRPA化によって年間数万時間もの工数を削減した事例もあります。事務作業の多い業界にとっては、RPAの活用がスタンダードになっていくかもしれません。

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 3-11.営業

営業部門は本来、顧客への営業活動に時間を割きたいと考える方も少なくありません。

しかし、実際は顧客情報の管理や見積書の作成、受注処理といった事務作業があり、営業活動のみに集中できないと悩んでいる方は多いでしょう。そんな営業部門の業務も、RPAで自動化ができます。

たとえば、受注処理では顧客から届いた注文書やメールから受注情報を抽出して、社内システムへの登録を自動で行えます。また、関係者に受注情報を自動で通知すれば、後工程がスムーズに動ける環境を構築できます。

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 3-12.人事

人事は、企業内で特に定型業務が多い部門の1つです。そのため、積極的に業務システムのRPA化を進めている企業が増えています。

たとえば、日々の勤怠情報をRPAで自動収集し、トータルの残業時間や有給休暇の消化率を可視化すれば労務管理を自動化できます。さらに、所定の残業時間を超えそうな従業員に対して注意喚起のメールを自動送付することも可能です。

ほかにも、採用管理や給与計算といった業務にもRPAで自動化できる部分が数多くあります。

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 4.RPAの導入を成功させるポイント

RPAの導入を成功させるポイント

どのような業界でも業務の効率化を実現できるRPAですが、導入を成功させるにはいくつか押さえておきたいポイントがあります。

  • まずは従来の業務の棚卸しを
  • 自動化させる業務を明確にする
  • 初めはスモールスタートで

今後RPAの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 4-1.まずは従来の業務の棚卸しを

RPAを導入する前に、自社の業務内容を理解する現状把握が大切です。

最初はRPAで自動化できるかはあまり意識せず、全ての業務を棚卸ししてみるのがおすすめです。業務を棚卸しした結果、本来やる必要のない業務や二重作業になっている業務が見つかるかもしれません。

できる限りムダな業務をなくしていき、本当に必要な業務を抽出した上でRPAによる自動化ができるかを考えます。

 4-2.自動化させる業務を明確にする

RPAではパソコンを使った業務の多くを自動化できますが、不定型な業務や人の判断が必要になる業務は自動化できません。

そのため、自社で行っている業務の中で、RPAで自動化できる内容を明確化する見極め作業が重要です。

自社で判断がつかない場合は、RPAのベンダーに相談して自動化する業務の選定をサポートしてもらうのもおすすめです。

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 4-3.初めはスモールスタートで

RPAに限らず、デジタル化を進める際はスモールスタートで少しずつ取り組むのが鉄則です。RPAを導入してすぐにすべての業務を自動化しようとすると、現場の担当者が急な変化についていけない可能性があります。

RPAの扱いに慣れていないうちは設定ミスなどによるトラブルが起こりやすいため、すべてを自動化すると最悪の場合は業務に支障をきたす恐れも。

ひとつずつ着実に業務を自動化していき、小さな成果を積み重ねながら自動化の範囲を広げていくと幅広い業界でRPAの導入を成功しやすくなっています。

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