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RPAと生成AIで業務効率化を促進する活用事例とは|課題や導入方法も解説

近年、多くの注目を集めているのがRPAツールと生成AIを用いて業務を効率化する手法です。とある調査によると、RPAツールは年商50億円超えの企業でおよそ45%がすでに導入しているとされており、さまざまな定型業務の自動化を実現しています。

それに加えて、ChatGPTのような生成AIを合わせて業務の効率化を推し進める事例が増加傾向にあるのも事実です。

この記事では、RPAと生成AIとはなにか、組み合わせでできる活用事例について解説します。RPAと生成AIの併用で起きる課題や、導入を適切に行うためのポイントについても解説しますので、あわせてご参照ください。

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 1.RPAと生成AIとは

1.RPAと生成AIとは

近年では、繰り返し行う定型業務の自動化に適した「RPA」と、ChatGPTを始めとする「生成AI」を組み合わせる事例が多くなっています。

今までは、RPA単体で臨機応変な対応力を求めるのが難しかったのも事実です。しかし、昨今では生成AIと組み合わせることで、より高度で複雑な処理を自動化できるようになりました。

ここでは、RPAと生成AIとはなにか、基礎的なポイントを解説します。

 1-1.RPAとは

RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコンで行う事務作業などの定型業務を自動化できるソフトウェアロボットです。デジタルレイバー(仮想的労働者)とも呼ばれており、単純作業を代行してくれるため、浮いた人手をより生産的な業務に注力できるメリットがあります。

RPAツールは決められた手順を繰り返す仕組みで、作業手順が固定化されているパソコン業務ならほとんどの自動化が可能です。今後も導入規模は増えていく見込みで、2023年から2030年にかけて「31億米ドル→233億米ドル」と、現状の市場規模から8倍に達するとされています。

RPAツールを活用すれば、「業務の効率化」「作業にかかる人的コストの削減」「業務品質の均一化・向上」「24時間365日稼働により夜間でも作業を進められる」などのメリットを得られます。

 1-2.生成AIとは

生成AI(ジェネレーティブAI)とは、機械学習などビッグデータをもとに新しくデータや情報を出力する技術です。近年ではさまざまなコンテンツの生成が実現可能になっており、テキストベースのやり取りから画像、動画や音楽までAIで生成できます。

なかでも、特にバックオフィス業務での効率化に適しているのがChatGPTを始めとするテキスト生成AIです。今までは人間にしかできないとされていた「考える」「計画する」といった作業も、生成AIが代行するため、書類作成やメールマガジン等の文章を効率的に作成できます。

生成AIは目まぐるしく変化を遂げており、日々さまざまな生成AIツールが公表されているのが現状です。

生成AIを活用すれば、「RPAでは行えない意思決定のサポート」「競合との優位性を確立しやすい」「アイデア出しによる業務効率のアップ」などのメリットを得られます。

 2.RPAと生成AIの組み合わせでできる活用事例

2.RPAと生成AIの組み合わせでできる活用事例

パソコン上の単純作業を自動的に行えるRPAツールと、テキストの自動生成などを行える生成AIと組み合わせれば、事務作業におけるさまざまな業務を効率化できます。RPAと生成AIの組み合わせでできることの代表例は以下のとおりです。

  • 手書き書類のデータ化&要約を自動化
  • 音声データからテキスト生成まで自動化
  • メールマガジン等の生成&配信を自動化
  • 自然言語でワークフローを自動化
  • データの収集からレポート生成を自動化
  • PDFなどの読み込みから自社システム反映を自動化

ここでは、RPAと生成AIの組み合わせでできることを解説します。

 2-1.手書き書類のデータ化&要約を自動化

RPA×OCRと生成AIを組み合わせれば、手書き書類のデータ化から要約を自動生成できます。OCRで文字を読み込み、RPAツールが自動転記し、生成AIで要約文を生成させて1つのファイルにまとめられます

紙で管理していた書類をデータ化すれば、パソコン1つで履歴や検索ができるようになるため、必要なデータを引き出しやすくなるのがメリットです。ペーパーレス化を目指していたり、紙でのやりとりが多くデータ処理に手間がかかっていたりするとき、大きく貢献してくれる仕組み化だと言えます。

ただし、OCRなどの文字認識技術には限度があるため、達筆な書類などは読み取りミスがないか人の目で適宜チェックする必要があります。

ココがポイント


文字の読み取りにAIを用いたAI-OCRとRPAを組み合わせた事例も増加傾向にある

 2-2.音声データからテキスト生成まで自動化

RPAと生成AIを組み合わせれば、音声データをもとにテキストを自動で生成できます。近年ではAIを組み合わせた書き起こしレコーダーなどもあり、議事録などを自動的にテキストとして生成できる機能も存在します。

それに加えて、RPAツールでテキスト内容を自社システムなどに転記すれば、音声データのテキスト生成・管理まで自動化が可能です。

ココがポイント


生成AIによる文章生成だけでなく、ファイルの移動やナンバリングなど保管面の効率化もRPAで自動化できる

 2-3.メールマガジン等の生成&配信を自動化

RPAと生成AIを組み合わせれば、メールマガジン等も自動で生成&配信できます。たとえば、RPAツールでWebスクレイピングを行い、商品データや顧客の口コミを収集。その後、生成AIが収集したデータをもとに文章を自動生成して、メール配信を自動的に行えます。

定期的な送信で作業頻度の高いメールマガジンを効率化すれば、担当者の負担を軽減することが可能です。一定以上の仕組み化を実現できれば、RPAと生成AIでメールマガジンの作成作業をほとんど任せられます

配信まで完全に自動化することもできますが、生成AIの文章などに違和感や問題がないか、人の目を通してから承認する形式が好ましいのも事実です。とはいえ、RPAと生成AIを組み合わせればメールマガジンの作成にかかる負担を軽減し、送信までの業務を大幅に効率化させられます。

 2-4.自然言語でワークフローを自動化

RPAと生成AIを併用する大きなメリットに、自然言語でワークフローを自動化できる点があげられます。たとえば、「◯◯のデータを△△に自動的に転記したい」と言葉で伝えるだけで、RPAツールが自動化するためのワークフローを作成できるのが魅力です。

RPAツールを稼働させるには、シナリオと呼ばれる手順書を作成しなければなりません。場合によっては、プログラミングスキルなどが求められるシステムもあります。自然言語で処理できる生成AIと組み合わせれば、シナリオ作成を効率化できるため、ITスキルに自信のない方でもRPAツールを運用できるのがメリットです。

 2-5.データの収集からレポート生成を自動化

RPAと生成AIを組み合わせれば、データの収集からレポートの生成まで自動化できます。たとえば、RPAツールでWebサイト上から口コミ等を収集し、生成AIで「良い口コミ・悪い口コミ」を分類、サイトや顧客属性に基づく口コミをレポート化…といった作業が自動化可能です。

RPAツールは決められた手順でデータを集め、そこに生成AIを挟めば「集めた内容から必要なデータの選別」を自動化できるため、レポート生成を効率的に行いやすくなります。

 2-6.PDFなどの読み込みから自社システム反映を自動化

RPAとAI-OCRなどを組み合わせれば、PDFなどのデータも読み込めるのが魅力です。たとえば、PDFで送られる請求書を自動で読み取り、まとめた内容を社内システムに反映するまでを自動化できます。

さらに、RPAツールをうまく活用すれば入金消込まで自動化できるのもメリットです。請求書周りの一連作業を自動化できるほか、作業時間は夜間に行えるため、出社後に担当者が各データに誤りがないか確認するだけで済ませられるのが魅力です。

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 3.RPAと生成AIの併用で起きる課題

3.RPAと生成AIの併用で起きる課題

RPAと生成AIを組み合わせればさまざまなメリットや業務効率化を実現できる一方で、いくつかの課題が残るのも事実です。代表的な例では以下のような課題があげられます。

  • 生成AI:機密情報などの取り扱い方法
  • 生成AI:出力されるデータの不安
  • RPA:設定できる人材がいない
  • RPA:セキュリティ面に不安が生じる

ここでは、RPAと生成AIそれぞれの面から考えられる課題について解説します。

 3-1.生成AI:機密情報などの取り扱い方法

生成AIを活用する課題のひとつに、機密情報などの取り扱い方があげられます。ChatGPTなど、一部サービスは利用内容を学習に流用すると公表しており、機密情報が学習されてしまうことで情報漏洩などのトラブルを招くリスクがあります。

そのため、会話を学習させないような設定やプランを事前に設定しておくことが大切です。個人情報や機密情報が流出しないよう、どのような生成AIを使うか、外部サービスの場合は利用規約等も踏まえて調べる必要があります。

 3-2.生成AI:出力されるデータの不安

生成AIを利用する課題に、ハルシネーションにより出力されたデータの信頼性が欠如しているリスクがあげられます。ハルシネーションとは、AIが事実に基づかない情報を生成してしまう現象を指します。

RPAツールで取得したデータを生成AIで取捨選択するだけであれば特に問題はないものの、メールマガジン等の文章生成を自動化する際には要注意です。場合によっては、誤りがあったり、偏見があったりする表現が含まれ、顧客の反感を持たれてしまう恐れもあります。

生成AIの出力する文体等は学習元のデータに依存するため、外部サービスを利用しない場合は注意が必要です。

ココがポイント


文章生成自体は自動化できるため、人の目による承認フローで業務効率化を図る事例が多くなっている

 3-3.RPA:設定できる人材がいない

RPAツールを利用する課題に、設定できる人材不足などがあげられます。RPAツールは「デスクトップ型」「クラウド型」「サーバー型」などの種類があり、自社の状況に応じてシステムを選ばなければなりません。

加えて、各RPAツールを稼働させるにはシナリオ作りが必要で、プログラミングスキルが求められるソフトウェアも存在します。RPAをうまく設定できる人材がいなければ、定型業務の自動化が難しくなってしまうのも事実です。

生成AIとRPAを組み合わせるのにも知識が求められるため、必要に応じて人材の中途採用やベンダーのサポートを受ける必要があります。

 3-4.RPA:セキュリティ面に不安が生じる

RPAツールを利用する課題のひとつに、セキュリティ面の不安があげられます。RPAツールはその仕組み上、自動化した範囲すべてのシステムにアクセスする権限を付与する必要があります。

言い換えれば、RPAツールに自社システムのアクセス権限が集約されるといっても過言ではありません。RPAツールの管理方法によっては重大なセキュリティホールになってしまうため、運用方法を含めて適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

必要に応じて、操作ログを取得するなどの仕組み作りが大切です。

 4.RPAと生成AIを適切に導入するためのポイント

4.RPAと生成AIを適切に導入するためのポイント

RPAと生成AIは業務効率化に大きく貢献してくれる一方で、比較検討を進めながら導入しなければ、思ったような効果を得られない可能性があるのも事実です。RPAと生成AIを適切に導入するためにも、以下のポイントに着目するのをおすすめします。

  • 導入目的と課題を明確にしておく
  • 自社の作業手順を振り返る
  • 導入は小規模から始める
  • 運用に必要な人材やルール決めを行う

ここでは、RPAと生成AIを適切に導入するポイントについて解説します。

 4-1.導入目的と課題を明確にしておく

RPAと生成AIを取り入れる前に、自社の導入目的と課題を明確化しておくのをおすすめします。自社の導入目的や課題をいまいち理解できないまま、ただ漠然と「業務を効率化できるから」などの理由でRPAや生成AIを導入しても、思ったような導入効果を得られない可能性があるのも事実です。

事前にどのような導入目的があるのか、課題を明確化しておきましょう。たとえば、「送付された請求書を自社システムに自動転記したい」「人手が足りず作業時間が取られてしまう」などの目的・課題を浮き上がらせれば、どのような生成AI・RPAシナリオが必要か把握しやすくなります。

 4-2.自社の作業手順を振り返る

RPAと生成AIの導入前に、自社のワークフローを振り返ってみるのもポイントです。場合によっては、システムで自動化しても非効率的な作業だったり、そもそも似たようなフローが重複していたりするかもしれません。

RPAと生成AIの導入に合わせて自社の作業手順を振り返れば、不要な作業がないか、根本から業務の効率化を実現できるポイントを見つけられる可能性があります。システムのRPA化をしても作業自体が非効率では効果が薄いため、事前に自社の作業手順に問題がないか振り返っておきましょう。

 4-3.導入は小規模から始める

RPAと生成AIの導入はスモールスタートするのがベストです。対応ノウハウがないまま突然大規模な業務を自動化しようとすると、失敗したときのリスクが高まり、会社全体の業務がストップしてしまう可能性も否定できません。

また、場合によっては現場担当者からの理解を得られず、業務効率化に向けた現場目線でのアイディアを取りこぼしてしまう可能性があるのも事実です。

そのため、停止時のリスクを最小限に抑えるためにも、小規模での取り組みから始めるのをおすすめします。また、RPAで意欲的に業務効率化を実現するには現場担当者の理解・協力も必要です。

導入効果を実感してもらえればRPAツールを活用した業務効率化を推進できるため、各ツールの導入効果を現場担当者に実感してもらえるよう、作業時間の短縮度合いや効率化できた事例を適宜共有するのもポイントです。

 4-4.運用に必要な人材やルール決めを行う

RPAと生成AIを本格的に運用する場合は、システムを管理できる担当者やルール決めが必要不可欠です。RPAツールはセキュリティホールにもなるため、特定の動作に限定したロボットを除き、誰でも簡単にアクセスできる状況は好ましくありません。

そのため、RPAと生成AIの業務効率化を軌道に乗らせる前に、運用に必要な人材やルール決めをしっかりと行いましょう。必要に応じて中途人材を採用したり、サポートの手厚いベンダーを利用したりするのもポイントです。

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RPAと生成AIを組み合わせれば、幅広い業務を効率化できます。RPAだけでは行えなかった「意思決定」を生成AIがサポートしてくれるため、レポート生成を始めとしてさまざまな業務の効率化を実現できるのが特長です。

生成AIとRPAを組み合わせれば、お互いを補い合って、複雑な作業も効率化できます。

とはいえ、「生成AIやRPAツールをどうやって導入すべきか分からない」とお悩みの方も少なくないでしょう。そのようなときは、プロが設計から導入までフルサポートするオーダーメイド型RPA制作サービス「RaBit」をご利用ください。

お客様にしていただくことは自動化したい作業をお伝えいただくのみで、プロが必要な機能を搭載したRPAツールを開発します。AI-OCRなどと組み合わせてRPAツールを制作することも可能ですので、書類の読み取りやシステムへの転記を効率化することも可能です。

RPAと生成AIの組み合わせで業務効率化を実現したい方は、この機会に「RaBit」までお気軽にご相談ください。

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