近年、多くのバックオフィス業務で作業を効率化するためにRPAツールの導入が進められています。一方で、既存のRPAツールに不満があり、別のシステムに乗り換えるべきか検討している方も少なくありません。
この記事では、RPAツールの乗り換えを考える理由について、再検討すべきタイミングを含めて解説します。RPAツールを乗り換えるときの注意点やおすすめのRPAツールについても触れていますので、あわせてご参照ください。
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1.RPAツールの導入規模や業務体制について
株式会社「MM総研」が2022年9月時点にまとめた調査では、年商50億円超え企業において、約45%がRPAツールを導入済みだと回答していました。
一方でガードナー社の調査によると、RPAツールはすでに2018年前後の「過度な期待のピーク期」を超えた幻滅期を迎えており、生産性の安定期に向かって利用状況を見直す企業が増えているとされています。
しかし、現状ですでにRPAツールを安定的に運用している企業も多く、業務の効率化を実現している事例もあります。
ガードナーの調査によると、導入している企業のうち推進体制は「全社で推進できる体制を標準化した企業が67%」「研修状況は標準化したものの推進は各部署が対応する企業が12%」「各部署の判断で個別に対応する企業が21%」となっています。
出典:株式会社グローバルインフォメーション(DataM Intelligence)「ロボティックプロセスオートメーションの世界市場-2023年~2030年」
出典:株式会社MM総研「RPA国内利用動向調査 2022(2022年9月時点)」
2.RPAツールの乗り換えを再検討する理由とタイミング
RPAの推進体制では、約7割が全社規模で標準化できる体制を整えており、導入済み企業とその他の企業で業務効率に大きな差が生まれるのは間違いないでしょう。一方で、約2割の企業が現場任せの推進になっており、RPAツールが正しく運用されているかどうかが可視化されていません。
RPAツールは今後の安定期に向けて導入数が増えるとはいえ、現場任せのRPAツール運用では、「効果を感じられない」「ルール決めが難しい」「スケールアップを実現する計画が不透明」などの課題を抱えてしまうのも事実です。そのような状況では、RPAツールの乗り換えやリプレイスを検討する可能性も増加すると言えます。
RPAツールの乗り換えを再検討する理由とタイミングは、以下のような点があげられます。
- 導入直後の失敗
- 部門単位での運用における失敗
ここでは、RPAツールの乗り換えを再検討するタイミングについて解説します。
2-1.導入直後の失敗
RPAツールの乗り換えタイミングに、「価格重視で自社業務に合わないRPAツールを導入した」「具体的にどの業務を効率化するかイメージせずにツールを購入した」など導入直後の失敗があげられます。
特に、どのような業務がRPA化に適しているか可視化せず、「無料のRPAツールなどを利用すればよい」と考えて導入を進めると手間ばかりが掛かってしまいます。場合によっては、想定した業務を自動化できなかった事例も少なくありません。
自社の業務が抱えている課題を可視化したうえで、「導入したRPAツールが合わない」と感じたときは、乗り換えを再検討すべきタイミングです。
たとえば、まずは小規模でRPAツールの使用感を試したり、ノウハウを積み重ねたかったりする場合は「スポット的に活用しやすいデスクトップ型RPAツール」でスキルを学ぶなどの選択肢もあります。
2-2.部門単位での運用における失敗
RPAツールの乗り換えタイミングに「RPAツールがうまく管理できず野良ロボットが生まれる」「開発人材がいない」「ルールや体制を整備できない」といった部門単位での運用における失敗があげられます。
特に、RPAツールの運用と効果測定を重ねてスケーリングを考える場合は、RPAツールの開発人材が必要不可欠です。RPAツールのなかにはノーコードで業務の自動化を実現できるシステムもある一方で、精密な作業の効率化を実現するために、一定のITスキルが求められるソフトウェアも少なくありません。
また、RPAを開発できる人材がいないと、人材不足の影響から目の前のロボットに注力してしまい、属人的な開発環境からロボットの品質にバラツキが生まれる原因になる可能性もあります。体制が整備できなかったり、人材が足りなかったりするときは、RPAツールの乗り換えを再検討すべきタイミングです。
たとえば、「開発のしやすいローコードRPAツールを導入する」「RPA人材を確保する」「ロボを一括で管理しやすいサーバー型RPAツールを導入する」などの選択肢があります。
ココがポイント
RPAツールは「導入すれば終わり」ではなく、運用スタート後も定期的なメンテナンスが必要なため、管理できる体制や人材が必要
3.RPAツールを乗り換えるときのポイント
RPAツールを乗り換えるときは、3つのステップを踏まえたうえで、どのようなリプレイスを実現すべきか判断するのをおすすめします。具体的には、以下の3つに着目してRPAツールの乗り換えを検討しましょう。
- 自社の課題を可視化する
- 拡張性やシステムの違いに着目する
- 事業規模に応じてリプレイスする
ここでは、RPAツールを乗り換えるときのポイントについて解説します。
3-1.自社の課題を可視化する
RPAツールで業務を自動化する前に、自社の課題が何かを可視化することが大切です。自動化を考えていた定型業務でも、最終的に人間の判断が求められる手順が含まれており、そこがボトルネックとなって思ったような業務の効率化を実現できなかった事例も存在します。
そのため、RPAツールを乗り換える前に「自社の課題が解決できるのか」をしっかり可視化しておきましょう。また、業務プロセスを見直した結果、非効率的な手順を見つけられるケースもあります。
RPAツールの乗り換え・導入をする前から業務効率化を実現できる可能性もあるため、自社の課題を可視化しておくことが大切です。
3-2.拡張性やシステムの違いに着目する
RPAツールを導入するときは、拡張性やシステムの違いに着目するのもポイントです。たとえば、「AI-OCR」に対応していれば、紙資料の読み込みを高精度化して業務効率を大きく改善できます。
AIを始めとして、ほかのシステムとの連携力に応じてRPAツールの拡張性が大きく異なるのも事実です。
「自動化する業務が限定的」といった理由でRPAツールを導入したにもかかわらず、あとになって拡張性を求めてしまうと、追加の投資や業務を再度自動化する手間が掛かってしまいます。
一言で「RPAツール」と言っても、ソフトウェアによって連携力などが異なるため、拡張性を踏まえた製品選びが大切です。
3-3.事業規模に応じてリプレイスする
RPAツールの乗り換えを検討するときは、自社の事業規模に着目したツール選びをおすすめします。RPAツールには主に3つの形式があり、「クラウド型」「デスクトップ型」「サーバー型」でそれぞれ稼働できる範囲や特色が異なります。
- クラウド型
SaaSを利用する形式で、手軽に導入・運用できるが自動化できるのはWebブラウザの作業のみ - デスクトップ型
パソコン1台にインストールする形式で、スポット的に導入・運用できるが作業を自動化できるのはインストールしたPCのみ - サーバー型
サーバーで全ロボットを管理する形式で、全社規模での導入にも向いているが運用や初期費用に大きなコストが掛かる
たとえば、大企業でRPAツールの乗り換えを考えているなら、サーバー型のRPAツールがベストです。サーバー機器の用意など大きな初期費用や開発期間が掛かってしまうものの、閉じた環境でロボットを操作できるため、セキュリティ面にも優れています。
また、大量のロボットを一元管理できるため、管理体制を整えれば野良ロボットの発生も防げます。
一方で、中小企業でサーバー型RPAツールを導入してしまうと、コストパフォーマンスが悪く感じてしまうかもしれません。「普段業務に使っているパソコンは10台前後」など、自動化したい業務範囲がそこまで広くなければ、デスクトップ型RPAツールのコストパフォーマンスが最適です。
さらに、業務範囲がWebブラウザで済む作業であれば、クラウド型がもっとも優れた費用対効果を発揮します。
RPAのシステムを乗り換えるときは「クラウド型」「デスクトップ型」「サーバー型」の3点を踏まえて、自社の事業規模に応じたリプレイスの検討をおすすめします。
4.RPAツールを乗り換えるなら「RaBit」にお任せ!
RPAツールの乗り換えを再検討するタイミングは大きく分けて「導入時に使い勝手が悪いと感じた」「ロボットをうまく管理できなくなった」「開発できる人材が足りない」「セキュリティ要件などガバナンスに達しない」などがあげられます。
特に、RPAツールの開発人材が足りない状況では、ツールのランニングコストばかりがかさんでコストパフォーマンスが悪化するのは避けられません。
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