WinActorなどをはじめ、RPAツールをリモートデスクトップ接続で使用するシーンが多々見受けられます。
リモートデスクトップなら複数拠点におけるシナリオの作成・実行を行える点がメリットですが、いくつか課題が残るのも事実です。
この記事では、RPAをリモートデスクトップで利用しようと考えている方へ向けて、メリット・デメリットや注意点を解説します。
RPAの認識方法によるリモートデスクトップの利用方法の違いについてもあげていますので、あわせてご参照ください。
格安料金ですべてお任せ!「自動化したいこと」をお伝えいただくだけのRPAツール
オーダーメイド型RPAツール「RaBit」は、ヒアリング・設計・開発・導入・運用までプロが一気通貫サポート。業界でも格安な料金設定と充実した支援体制で、長く安心してご利用いただけます。
1.リモートデスクトップでRPAを利用する方法は?
RPA(Robotic Process Automation)とは、定型業務を自動化させるツールです。それらを、リモートデスクトップと呼ばれるインターネットを経由した遠隔操作システムにて、遠距離の場所から稼働させる利用手法が人気を集めています。
一般的にリモートデスクトップでRPAを利用する方法は、「接続“元”にRPAツールがある」「接続“先”にRPAツールがある」といった状況により異なります。
接続元にRPAのシステムが導入されている場合は、エミュレーションや画像認識型RPAなどのシステム利用が必須です。
一方で、リモートデスクトップの利用先にRPAツールが導入されている場合は、「接続“元”にRPAツールがある」状態よりも、安定した運用が行えます。基本的には、RPAの動作開始を遠隔で指示するだけで、本体の稼働は本社などのパソコンに依存する仕組みです。
リモートデスクトップでRPAを利用すれば、本社から複数拠点へシナリオの作成・実行を行えるため、効率的に業務の自動化を推進できます。また、テレワークなど在宅中のRPAアクセスを可能にし、リモートデスクトップでRPAツールを利用するニーズも増しているのが現状です。
こちらもCHECK
2.リモートデスクトップでRPAを利用するメリット
RPAをリモートデスクトップで操作すれば、さまざまなメリットが得られます。近年主流のテレワークなどでも業務を効率化できるため、生産性の向上が期待できる点も特長です。
ここでは、リモートデスクトップでRPAを利用するメリットについてご紹介します。
こちらもCHECK
2-1.離れた場所にあるパソコンでRPAを利用できる
RPAをリモートデスクトップで操作する何よりのメリットが、離れた場所にあるパソコンでRPAを利用できる点です。テレワークで自宅から会社にあるパソコンのRPAを利用したり、会社内の離れた部屋に設置されたパソコンのRPAを利用したりできます。
通常、RPAを利用するにはシナリオなど一定の設定が必要ですが、リモートデスクトップでRPA導入済みのパソコンを遠隔操作すれば、初期設定などが不要になる点がメリットです。
2-2.接続元のパソコンにRPAがなくても利用できる
RPAをリモートデスクトップで操作するメリットのひとつに、接続元にRPAツールが不要な事例があげられます。手元にある接続元のパソコンにRPAツールがインストールされていなくても、接続先のパソコンにシステムが導入されていれば、RPAを利用できます。
そのため、外出先やテレワークでも、手元のノートパソコンなどを使って簡単にRPAを操作できる点がメリットです。
特に、一部のデータベースなど社内システムは社外からアクセス操作を禁じている事例も多くなっています。それらのデータを社外に持ち出さず、社内のまま自動的に処理してくれるRPAなら、セキュリティリスクを抑えて業務を遂行しやすくなります。
ココがポイント
必要なデータだけを加工してから出力できるRPAなら、そのまま外部アクセスするよりもセキュリティリスクを低減できる
2-3.複数人で同時に利用できる
リモートデスクトップでは、1つの接続先に対して複数人でアクセスすることが可能です。そのため、RPAのインストールされた社内パソコンを複数人でシェアし、同時に利用できるケースも存在します。
ただし、あくまで複数人で同時利用ができるのはリモートデスクトップであり、RPAの同時使用可否は、導入しているソフトウェアによって異なります。RPAツールの機能や接続先パソコンのスペックなどによっては、複数人で同時使用ができない可能性にご注意ください。
3.リモートデスクトップでRPAを利用するデメリットと注意点
リモートデスクトップでRPAツールを操作すれば、社内の重要データを社外に持ち出さず、データを加工したうえでテレワーク中も使用できるなどさまざまなメリットがあります。
しかし、リモートデスクトップでRPAを使うからこそ注意しなければならないポイントがあるのも事実です。
ここでは、リモートデスクトップでRPAを利用する際のデメリットと注意点についてご紹介します。
3-1.途中でRPAがストップしてしまう場合がある
リモートデスクトップでRPAを利用する場合、途中でシステムがストップしてしまう可能性に注意が必要です。たとえば、遠隔操作後に画面を一時的に最小化するだけでも、RPAがストップしてしまう可能性があります。
接続元で使用しているRPAのソフトウェアによっては、画像認識型などの種類があり、正しい動作を行うためにも画面を表示し続けなければなりません。また、接続元のRPAでリモートデスクトップにて自動化する場合、通信不良など一時的な不具合でRPAの動作がストップしてしまう可能性も。
場合によっては、レジストリなどを操作することでウィンドウを最小化してもRPAの動作を実行できる場合があります。
ただし、レジストリの操作は一定のITスキルがなければ大きなトラブルを招いてしまうおそれもあるためご注意ください。
ココがポイント
リモートデスクトップでRPAを操作できるようにするため、一定のITスキルが求められる
3-2.パソコンに通常以上の負荷がかかる
RPAでリモートデスクトップを使用した場合、通常よりもパソコンに負荷が掛かってしまう点に注意が必要です。
リモートデスクトップは接続元ホストに負荷がほとんど掛からず、あくまで画面・入出力情報を取得しているのみ。とはいえ、通常時よりも負荷がかかってしまうのも事実です。
そのため、ただパソコン単体でRPAを使うよりも動作速度が遅くなったり、動作が停止してしまったりするリスクに注意しなければなりません。
リモートデスクトップでRPAを使用する場合は、接続先にスペックの高いパソコンを導入したうえでRPAシステムを搭載するのをおすすめします。
4.RPAの認識方法によるリモートデスクトップ利用時の違い
RPAツールには、画面上に表示されたソフトウェアを認識する方法が主に3種類存在します。それぞれの特徴によって接続元のRPAでリモートデスクトップを利用する際の必要な設定や注意点が異なるため、RPAの種類を見極めておくのが大切です。
ここでは、RPAの認識方法別にリモートデスクトップを利用するときの違いについてご紹介します。
4-1.座標指定型
座標指定型のRPAツールとは、人の動作(マウスの移動距離・クリック位置)などを2次元の座標データで記録させて、その通りに動作を繰り返す仕組みです。
システム的には単純明快ですが、それゆえにリモートデスクトップで利用すると誤作動を起こしてしまう可能性があります。
たとえば、リモートデスクトップ時に画面の解像度が変更されていると、従来の座標データと操作したいソフトウェアの位置がズレており、正しく業務をRPA化できない可能性も。
座標指定型RPAツールを接続元から利用する場合は、画面解像度を一定に保つ必要があります。
4-2.画像認識型
画像認識型のRPAツールは、画面上に表示されたソフトウェアの見た目(ボタンやデザイン)を識別したうえで、どの部分を順番でクリックするかなど自動化する仕組みです。言い換えれば、従来とは違った環境になると誤作動を起こしやすいRPAツールでもあります。
リモートデスクトップを始め、ソフトウェアのアップデートなど画面やボタンの色・背景色・解像度が変わってしまうだけでRPAツールが正しく動作できなくなってしまう可能性も。
接続元のRPAツールでリモートデスクトップにより自動化する場合は、普段と変わらない表示状態を保つ必要があります。
リモートデスクトップツールは画面エフェクトや色等が簡略化されて表示される場合が多い点がネックです。
4-3.オブジェクト認識型
オブジェクト認識型のRPAツールは、画面に表示された要素(HTMLファイルやアプリケーション)を直接読み取って記録・操作する仕組みです。
正確性の高いRPA化が可能な一方で、オブジェクト認識型のRPAツールをリモートデスクトップで利用する際は注意すべきポイントがあります。
それは、オブジェクト認識型のメリットである画面に表示された要素の読み取りが、ただリモートデスクトップをするだけでは難しい点です。正しく動作をさせるためには、接続元・接続先でそれぞれ追加設定が必要になってしまいます。
ただし、近年ではUiPathなど「UiPath Remote Runtime」といったコンポーネントが提供されており、それらを利用することで構造認識の共有・リモートデスクトップによるRPA化を実現しやすくなっている点がポイントです。
5.まとめ
RPAツールはリモートデスクトップでも十分に動作するシステムです。特に、接続先にRPAツールを導入して、接続元からリモートデスクトップで操作するだけなら、特段トラブルを招く心配はないといえます。
また、一部のRPAツールはリモートデスクトップ向けのコンポーネントが提供されており、それらを利用すれば効率的なRPA化も可能です。仮想デスクトップ環境を利用するなど、RPAをリモートデスクトップで利用する方法は多岐にわたると言えるでしょう。
もしリモートデスクトップで稼働できるRPAツールをお探しの場合は、ぜひオーダーメイドRPA制作サービス「RaBit」をご利用ください。接続先の端末にRaBitを搭載いただければ、リモートワークでも簡単に業務の効率化を実現できます。
初期費用66,000円、月額10,450円の安価な価格から利用できるのも特徴です。この機会にぜひご検討ください。