近年RPAツールが人気を集めており、それに伴ってRPAの資格も注目を集めています。
RPAに国家資格はありませんが、「WinActor」や「UiPath」などの大手RPAメーカーが民間資格を発行しているのも事実です。
この記事では、RPA資格の難易度とはどのようなものか、資格の種類や試験内容についてご紹介します。
RPAの資格を取得するメリットについても解説しますので、あわせてご参照ください。
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1.RPAの資格とは?主な資格を紹介
RPAには、RPAツールのベンダーが提供している民間資格があります。
主な資格は「WinActor/RPA技術者検定」「UiPath/UiPath Certified Professional (UCP)」の2つです。
それぞれ2種類の難易度が設けられており、技術レベルに応じた受験が可能です。
- WinActor
→「RPA 技術者検定 アソシエイト」「RPA 技術者検定 エキスパート」 - UiPath
→「UiPath RPA アソシエイト資格試験」「UiPath RPA デベロッパー上級資格試験」
2.WinActorに関する資格|RPA技術者検定
WinActorに関する資格は「RPA技術者検定」が存在します。RPA技術者検定資格には2つの難易度があり、取得にはそれぞれの試験に合格しなければなりません。
ここでは、RPA技術者検定の資格取得を目指している方へ向けて、それぞれの難易度や特徴を簡単にご紹介します。
2-1.基礎知識が問われる「RPA技術者検定アソシエイト」
問題形式・問題数 | 択一式選択全50問 |
試験時間 | 60分 |
受験費用 | 7,150円 |
「RPA技術者検定アソシエイト」はWinActorの活用に必要な基礎知識が身についているかを測定する資格です。
試験はWinActorの概要10問、機能20問、シナリオ20問の選択形式の問題で構成されており、正答率7割以上の難易度でRPA資格を取得できます。
RPA資格の取得難易度は比較的低いものの、RPAの基本的な使い方を網羅した試験のためしっかりとした学習が必要です。
これからRPA業務に関わる方やすでに業務に利用している方のレベルアップに適しているといえます。
また、過去の出題をベースに学習をする検定対策講座もあるため、スキルに自信がない場合や、確実に知識を身に着けたい場合には利用するのも選択肢のひとつです。
2-2.より難易度が高い「RPA技術者検定エキスパート」
問題形式・問題数 | 択一式選択30問 実技試験3問 |
試験時間 | 120分 |
受験費用 | 21,780円 |
「RPA技術者検定エキスパート」は業務のRPA化に関するスキルがあると証明する資格です。試験時間120分で、30問の選択問題と3問の実技問題が出題される2部構成で出題されます。
RPAの資格としてはアソシエイトよりも高い難易度かつ実践的な内容を取り扱っており、エクセルなど実際に業務で利用するソフトの自動化に関する問題も出題されます。
DX人材や技術者のレベルの評価に適している資格です。
こちらも過去の試験問題をもとにした講座が用意されており、実業務に沿った内容の問題について学習できます。
ココがポイント
どちらのRPAの資格も過去問題から学習しやすい
3.UiPathに関する資格|UiPath Certified Professional(UCP)
RPAツールUiPathに関する資格として「UiPath Certified Professional」があります。資格は「アソシエイト」と「デベロッパー」の2種類があり、取得にはそれぞれ対応した試験に合格しなければなりません。
ここでは、UiPath Certified Professionalの資格取得を目指している方へ向けて、それぞれのRPA資格を取得する難易度や特徴を簡単にご紹介します。
3-1.基礎知識が問われる「UiPath RPAアソシエイト資格試験」
問題形式 | 択一式選択、並び替え |
試験時間 | 90分 |
受験費用 | 16,000円 |
「UiPath RPAアソシエイト資格試験」はRPAツール「UiPath」の基本的な使い方と、業務自動化の基礎スキルを認定する資格です。
試験を受けるためには、UiPathが指定している学習コンテンツを修了しているか、UiPath製品を3〜6ヶ月使用したハンズオン経験が必要です。
UiPathの資格試験の中では低い難易度に位置されていますが、試験資格にある通り、しっかりとしたRPAスキルが必要な試験です。
公式で無料のオンライン講座も実施されているのでツールについての学習がしやすく、テスト対策の練習問題も公開されています。また、出題範囲が公開されており、項目も細かく指定されているため、試験対策がし易い特徴があります。
3-2.より難易度が高い「UiPath RPAデベロッパー上級資格試験」
問題形式 | 択一式選択、並び替え |
試験時間 | 120分 |
受験費用 | 22,000円 |
「UiPath RPAデベロッパー上級資格試験」はより高難易度なRPA資格で、RPAの技術担当者を受験の対象としています。
受験には6ヶ月以上の実務経験か、高度な学習を終えている必要があり、アソシエイトに比べると専門的な知識が要求されます。
複雑な業務を効率的に自動化する能力を検定するため、RPAの資格としては難易度が高めな印象です。
アソシエイトと同様に、練習問題や試験範囲が公開されています。しかし、RPAツール自体だけでなく「REFramework」といったワークフロー作成ツールの使い方なども含めた総合的な自動化知識が求められるため、全体的に資格の取得難易度が高くなっています。
4.RPAの資格を取得するメリット
RPAの資格には民間資格しかありませんが、高難易度の資格を取得しておけばさまざまなメリットがあります。
代表的なメリットが、RPAを使えるスキルの客観的な証明になる点です。
RPAには「ここまでできれば十分」と他者が判断できる明確なラインがないため、高難易度のRPA資格を有していれば、ツールの理解度やスキルを図るうえでの指標になります。
また、資格が転職活動に役立つ事例もあります。高難易度のRPA資格を取得していれば、能力のアピールにつながるのは間違いありません。現在多くの企業から注目されているRPAの高難易度試験を合格した資格があれば、転職など自身のキャリアアップに役立ちます。
ココがポイント
RPAの資格は実際の能力を表すだけでなく、他者にスキルを示すのに役立つ
5.RPA資格試験の学習方法
RPAを学習するにはさまざまな方法があり、それぞれメリット・デメリットも異なります。特に高難易度のRPA試験を受ける場合は、適切な勉強方法を選択しないと合格が難しくなってしまいます。
ここでは、RPA資格試験の学習方法について難易度を問わずご紹介します。
5-1.書籍やオンライン講座で学ぶ
RPA資格試験に向けた勉強のひとつが、書籍やオンライン講座を利用する方法です。書籍や動画・テキストを使って学ぶオンライン講座なら、自分のペースで学習を進められるメリットがあります。
なかには、デベロッパーが提供しているオンライン講座を無料で利用できる場合も。
高難易度のRPA資格を取得するには、それぞれの資格を目的とした講座を個別に利用するのも方法のひとつです。各試験の内容に沿って勉強を進められるため、効率よく高難易度のRPA資格を取得しやすくなるとともに、実践的な知識を身につけやすくなるメリットがあります。
5-2.過去問を解く
難易度を問わず、RPAの資格取得には過去の試験問題が役立ちます。
RPA資格試験には公式サイトなどで難易度別に過去問や疑似問題が公開されている場合があり、実際に出題される問題と同様の形式のテストに挑戦できます。
とはいえ、特に高い難易度のRPA資格を取得するには、RPAツールの習熟度が求められるのも事実です。各難易度の過去問を解くだけでは、たとえRPA資格が取得できたとしても、実践的な技術力が不十分になってしまう可能性もあるため注意が必要です。
5-3.RPAツールを実際に使用する
RPAツールを実際に利用するのも、高難易度のRPA資格を取得するのに役立ちます。
RPAツールを習熟するため既存の定型作業を自動化してみるなど、実際にツールへ触れてみるのもポイントです。
個人で勉強していたり、普段あまり活用していなかったりする場合は、意識してRPAツールを使用すると学習効率の向上が期待できます。
高難易度のRPA資格ほど実践的な技術が求められるため、各ツールを実際に試すのをおすすめします。
6.社員にRPA資格を取得させるべき企業は?
簡単に操作できるRPAソフトもあるため、業務の効率化に必ずしも資格が必要なわけではありません。とはいえ、RPA資格がメリットに繋がる場合は取得を視野に入れるのも選択肢のひとつです。
ここでは、社員にRPA資格を取得させるべき企業についてご紹介します。
6-1.高度な技術を持つRPAエンジニアを育てたい企業
高度な技術を持つRPAエンジニアの育成に、高難易度のRPA資格を取得する勉強が役立ちます。
資格の取得に向けた学習がRPAスキルの向上に繋がるだけでなく、合格する目標が生まれ、エンジニアのモチベーションも向上します。
また、全社規模でシステムを自動化したり、多量のRPAツールを管理したりする場合には、高難易度資格に合格できるレベルのスキルが必要です。
大規模な業務効率化を行う前に、あらかじめ社内エンジニアに資格取得をしてもらい、RPAに対する理解度を深めてもらうとRPA化に失敗しにくくなります。
6-2.RPA導入サポートなどの事業に取り組む企業
RPAの導入やサポートなどを事業に取り組む企業では、各難易度のRPA資格を取得しておくのをおすすめします。
他社のRPA導入をサポートするには、RPA資格の高難易度合格レベルの幅広い専門知識が必要です。
また、客観的にスキルを証明できる資格を持っておけば、RPAの専門知識の権威性を高められます。
ニーズが高まりつつあるRPAを事業のひとつに加えたい場合は、資格を取得しておくと自社スキルのアピールに繋がります。
7.まとめ
RPAには国家資格はないものの、RPAツールのベンダーが提供している民間資格があります。民間資格は難易度別に分けられており、RPAツールを活用するスキルの証明になる資格として有効です。
とはいえ、RPAを利用するうえで資格は必須ではありません。また、難易度を問わずRPAの資格を取得するにはコストや勉強の時間が必要なのも事実です。
もし、RPAツールを導入する前準備として高難易度資格の取得を考えている場合は、オーダーメイド型のRPAツールを利用してみるのも選択肢のひとつです。
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