近年、少子高齢化による人材不足の影響で、地方自治体の長時間労働や職員の業務過多が問題視されています。特に、対応工数の多い事務作業や定型業務は、職員だけでは手に負えなくなっている現場も少なくありません。
こういった人材不足や長時間残業の問題が深刻化するなかで、業務自動化ツール「RPA(Robotic Process Automation)」の導入を検討する地方自治体が増加しています。
しかし、RPAを導入するにあたって、「地方自治体の業務にRPAを導入するメリットはある?」「地方自治体ではRPAをどのように活用しているの?」といった疑問の声もあります。
実際に、業務効率化のためにRPAを導入したいと考えているものの、導入後の具体的なイメージがつかめない方は多いようです。
そこで今回は、中小企業や地方自治体向けにRPAツールの導入支援を行っており、単純作業を98%削減した実績のある弊社が、地方自治体でRPAを活用できるポイントを詳しく解説します。
本記事を最後までご覧いただくと、RPA導入のメリットから活用事例まで把握できます。
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1.地方自治体における課題
日本は、少子高齢化によって2008年をピークに人口が減少しています。それに伴って、15歳から64歳までの生産年齢人口も減少しており、各所で人手不足が深刻化している状況です。
地方自治体も例外ではなく、総職員数は1994年から減少傾向にあります。
各地方自治体は、職員数が減少するなかでも地域サービスの質を維持・向上させるべく、さまざまな行政改革によって業務の効率化に取り組んできました。
しかし、今後の日本ではさらに人材不足が深刻化すると予想されており、職員1人当たりの業務量の増加や長時間労働が課題です。
また、業務の一部を民間に委託するとしても、委託先が見つからなかったり、コストが増加したりする可能性が高まります。
人材不足の背景で早急な業務効率化が求められており、その一環として、地方自治体でRPAのようなITツールを活用する動きが見受けられます。
ココがポイント
RPAは地方自治体だけでなく世界的に活用されており、業務効率化&人材不足解消に役立つツール
2.地方自治体におけるRPA導入状況
総務省は「地方自治体におけるRPA・AIの実証実験・導入状況等調査」の結果を公表しています。
同調査によると、令和元年度の時点でRPAを導入済の地方自治体は「都道府県で約85%」「指定都市で約70%」となっており、多くの自治体が何らかの形でRPAを導入していると分かります。
また、その他の市区町村では導入済みの割合が約18%にとどまっていますが、導入予定・導入検討中も含めると50%以上の地方自治体がRPAの導入に前向きな姿勢を示しているのも事実です。
RPAを導入すると、人がパソコンで行っている事務作業や定型業務を自動化できます。
専門知識を必要としないRPAツールも多いので、各地方自治体がうまく活用すれば、上述した人材不足に伴う業務量の増加や長時間労働を解消できます。
地方自治体へのRPAの導入は、これからも増加していく見込みです。
ココがポイント
地方自治体の多くはすでにRPAの導入を進めている
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3.地方自治体のRPA活用事例
ここでは、実際に地方自治体でどのようにRPAが活用できるのかをご紹介します。
3-1.システムへの入力・登録作業
RPAはパソコン操作を自動で行うツールです。地方自治体の業務で使用するシステムやアプリケーションも操作できるので、それらに対する入力・登録作業を自動化できます。
たとえば、地方自治体では住民の異動や保険などの申請を受け付ける業務があります。
この際に、申請内容を手入力でシステムに打ち込んだり、同じ情報を複数のシステムに登録していたりして、手間がかかる作業も少なくありません。
RPAで地方自治体のシステム入力作業を自動化すれば、職員の負担を軽減できるだけでなく、入力ミスの削減や申請処理にかかる期間の短縮なども実現できます。
3-2.ミスができない確認作業
RPAはミスができない確認作業の自動化にも役立ちます。
地方自治体では税金、医療、福祉、子育てなどさまざまな分野の地域サービスを提供する上で、別のシステムに登録されている情報を確認したり、照合したりする作業があります。
確認や照合を人が目で見て行っていると少なからずミスが発生しますが、ソフトウェアであるRPAにはヒューマンエラーを起こす心配がありません。
地方自治体は絶対にミスが許されない作業内容も行っています。そのような作業をRPAに任せていけば、職員の心理的負担を軽減できます。
ココがポイント
RPAの導入は、業務の効率化だけでなく、職員のストレス軽減にもつながる
3-3.紙書類の集計作業
地方自治体でもデジタル化が進みつつあるものの、まだまだ紙の書類が多く残っています。紙書類の処理や集計を人の手で実施するのは大変ですが、紙媒体のデジタル化もRPAによる自動化が可能です。
RPAツールの中には、AI-OCRと呼ばれる高精度な文字認識ツールと連携できるシステムがあります。
スキャンした紙書類に記載された情報をAI-OCRが読み取り、電子データ化した上でRPAが処理・集計する流れで、作業の自動化が可能です。
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3-4.窓口の無人化
地方自治体には日々多くの住民からの問い合わせや申請が届くので、窓口で対応する職員の負担が大きくなっています。
窓口を完全に無人化するのは困難ですが、一部の業務をRPAで自動化すれば、窓口の職員の負担を軽減できます。たとえば、Webサイト経由のよくあるお問い合わせはRPAを使って自動応答する仕組みをシステム化できます。
定型的な文章を返したり、システムから必要な情報を取得して回答したりするだけなら、各地方自治体に寄せられる簡単な質問もRPAで十分に自動化が可能です。
3-5.通知業務の自動化
地方自治体では、特定の条件に合致する住民のみに通知をしたり、イベントなどの案内を送ったりする作業があります。
この業務でRPAを活用すると、システムから特定の条件に合致する住民のデータだけを抽出する作業を自動化できます。
さらに、住民の氏名や住所などのデータを抽出してExcelなどで加工すれば、宛名ラベルを作成するシステムまで自動化が可能です。
手作業で実施するよりもはるかに効率が良くなり、漏れや誤記などのミスも少なくなるメリットを期待できます。
4.地方自治体にRPA導入するメリット
規模の大小にかかわらず、RPAを導入した地方自治体は成果を上げています。
ここでは、上述した地方自治体の課題や活用事例を踏まえつつ、地方自治体にRPAを導入するメリットについて解説いたします。
4-1.残業時間の削減
RPAを導入して手間のかかるパソコン作業を自動化していけば、職員の業務負荷が減り、残業時間の削減や人材不足の解消を実現できます。
地方自治体にはRPAが得意とする定型業務や単純作業が多いため、RPA化すれば少ない人員でも業務を回せるようになる点がメリットです。
また、RPAで地方自治体の業務を完全に自動化できなかったとしても、一部の作業だけでもRPAに代行してもらえば、作業の効率化や残業時間の削減が図れます。
業務の手順を細分化して考え、RPAで自動化できそうな作業は積極的にRPAに任せていくと、導入効果がさらに高まっていきます。
4-2.手作業によるミスの削減
RPAは、あらかじめ設定した作業手順に忠実に従って動作するソフトウェア型のロボットです。人のように不注意や疲れによるミスも起こさず、一定の品質で確実に作業を遂行してくれます。
地方自治体はその立場上、ミスが許されない業務が多く、二重、三重にチェックをしなければならない場合もあります。
そのような業務をRPAに任せていけば、職員の作業時間を削減できるだけでなく、人の手作業によるミスも削減できます。
ココがポイント
照会・確認業務のRPA化は、地方自治体にRPAを導入するうえで大きな魅力のひとつ
4-3.ペーパーレス化
地方自治体にはまだまだ紙ベースの作業が残っており、ペーパーレス化の遅れは業務効率が上がりにくい原因のひとつです。しかし、上述したAI-OCRとRPAを組み合わせれば、地方自治体も多くの業務をペーパーレス化できます。
紙の情報を電子データ化すれば、「データベースから目当ての情報にぱっとアクセスできる」「ITシステムと組み合わせて作業の自動化・効率化を図りやすい」「データの保管場所や管理の手間を大幅に削減できる」といったさまざまなメリットがあります。
RPAの導入に伴って、各地方自治体がペーパーレス化に取り組むと、より業務効率の向上につながると言えます。
4-4.時間的余裕の確保
RPAを導入して定型業務や単純作業を自動化すれば、これまで業務を担当していた職員に時間的余裕が生まれます。
本来力を入れるべき業務に注力できるため、さらなる業務効率化や、住民サービスの向上を実現するのも夢ではありません。
5.地方自治体におけるRPA活用ポイント
地方自治体がRPAの導入・活用で失敗しないためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。
RPAの導入を検討する際には、ここで紹介するポイントを参考にしていただきたいです。
5-1.知識不要のツールを選ぶ
RPAツールの中には、操作時にプログラミングなどの専門知識が必要なシステムがあります。もしそのようなツールを導入してしまうと、地方自治体内の一部の人しか使いこなせず、RPAのメリットを十分に得られない可能性も。
職員の中には、ITリテラシーがあまり高くない人もいるかもしれません。
専門知識が不要で直感的に操作できるRPAツールも存在するので、そのようなソフトウェアを選んで導入するのも地方自治体でRPAを活用するポイントです。
ココがポイント
地方自治体にRPAを導入するときは、職員のITリテラシーにあわせてツールを選ぶと作業効率化の恩恵を受けやすい
5-2.スモールスタートで始める
RPAを導入する際は、スモールスタートで小さい業務から自動化を進めるのが鉄則です。もしRPAに不具合が生じても、ストップする業務などのリスクを最小限に抑えられます。
言い換えれば、いきなり大規模な範囲の業務をRPAで自動化させると、地方自治体の機能自体がストップする危険性も。
実際に、RPAを導入してすぐの頃はさまざまなトラブルが起こりがちです。小さい業務から徐々に自動化を成功させていき、RPAの扱いに慣れてから大きい業務の自動化に取り組んでいきましょう。
5-3.ベンダーとの相性も重要
RPAの導入・活用で失敗を避けるには、ベンダーからのサポートを十分に受けられるかどうかも大きく影響します。
ベンダーによってサポート体制の充実度は異なるため、RPAツールの選定時に必ず確認しておきましょう。
機能やコストがいくら優れていても、RPAを使いこなせなければ意味がありません。
導入時の操作説明やRPA化する業務の選定支援、導入後にトラブルが発生した際の問い合わせ対応などのサポートを受けられれば、安心してRPAを活用できます。
5-4.IT人材育成
地方自治体内でRPAを使える人材が多ければ多いほど、導入効果も高まります。そのため、社員研修を充実させるなどして、職員をIT人材として教育していきましょう。
RPAに関する知識を教えるだけでなく、ITリテラシーそのものが高まるように教育しておけば、RPA以外のITツールを導入する際にも応用が効きます。
6.業務改善するならRaBitがおすすめ!
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