ITに知見のある人材確保が厳しい背景で、RPA(Robotic Process Automation)ツールによる社内の業務の自動化が注目を集めています。
単純作業のミスを軽減したり、生産性の向上を図ったりするために、RPAツールの導入を検討する中小企業も増えてきました。
しかし、RPAツールの導入に必要な費用は、タイプやサポート内容などによって違いがあるため、選択が難しいところです。
そこで本記事では、RPAの概要から始まり、RPAツールの導入に必要な費用相場を、タイプや初期費用、月額費用、サポート内容などに分けて徹底解説します。
RPAの導入を検討している方は、この機会に最後まで読んでみてください。
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1.RPAとは?
RPAの正式名称は「ロボティックプロセスオートメーション(Robotic Process Automation)」であり、直訳すると「ロボットによる業務の自動化」の意味を持ちます。
一般的には略称であるRPAや、RPAツールと呼ばれており、業務の自動化はRPA化とも呼ばれます。RPAツールを導入すると、パソコンを使って行う業務の一部をロボットに代行させて自動化できます。
ここで言うロボットはソフトウェア型のロボットで、パソコンやサーバーにインストールして使用するシステムです。
RPAツールで業務を自動化するには、業務内容や手順を「シナリオ」と呼ばれる手順登録でロボットに覚えさせる必要があります。
画面のどこを見て、どのようなマウス操作やキーボード操作をすべきかを業務の流れに沿って細かく覚えさせると、ロボットがその通りに動いて業務を自動化してくれる仕組みです。
RPAツールで自動化できる業務の例としては、次のような事例が挙げられます。
- 異なるシステム間での転記作業
- 日報などのレポート作成
- 定期報告メールの自動配信
- インターネットでの情報収集
- 経費精算や交通費精算
業務内容や手順が明確に決まっており、定期的に行う業務はRPAツールでの自動化に適しているイメージです。
反対に、その都度人の判断が必要になる業務や、高度な分析力が求められる業務はRPAツールに不向きですのでご注意ください。
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2.RPAの導入タイプは3つ!
RPAツールの導入費用は、導入するツールのタイプによって大きく異なります。RPAツールには次の3つのタイプがあるため、それぞれの特徴を押さえておきましょう。
- デスクトップ型
- サーバー型
- クラウド型
それぞれ、詳しく解説します。
ココがポイント
RPAのタイプによって適切な運用方法が異なる
2-1.デスクトップ型
デスクトップ型のRPAツールでは、パソコン1台につき1つのRPAツールをインストールして利用します。パソコン1台でRPAツールを使った業務の自動化ができるため、部門単位や担当者単位でも導入しやすいのが特徴です。
デメリットとしては、そのパソコンでできる業務しか自動化できない点が挙げられます。同じ部門の業務でも、別のパソコンにインストールされているソフトウェアを使った業務は自動化できません。
また、大量のデータを扱う業務などを実行した際、RPAを導入したパソコンのスペックを大きく超えてしまうと、RPAツールが停止する可能性があります。
2-2.サーバー型
サーバー型のRPAツールでは、自社で保有・管理しているサーバーにRPAツールをインストールして利用します。サーバー上で多数のロボットを動かせるため、複数の業務をまとめて自動化できる点が特徴です。
ロボットの管理機能やセキュリティ機能が充実しているツールが多く、大企業での導入にも向いています。
デメリットとしては、RPAツールの導入費用が高額になりやすい点と、機能が多すぎて使いこなせない可能性がある点が挙げられます。
自社にとって不必要な機能も含まれている可能性が高く、使いこなすには一定以上のITスキルが求められる傾向にあります。
2-3.クラウド型
クラウド型のRPAツールは、ベンダーが管理するサーバーからインターネットを通じてRPAツールを利用します。インターネットにつながったパソコンさえあれば、契約後すぐに利用開始できるため、導入のハードルが低い点が特徴です。
メンテナンスの手間もなく、常に最新バージョンのRPAツールを比較的費用を抑えて利用できます。デメリットとしては、基本的にWebブラウザ上で行う業務しか自動化できない点が挙げられます。
パソコンやサーバー内にインストールして利用するソフトウェアや、自社独自のシステムなどは動かせないため、ほかのRPAツールに比べるとやや自由度が低いといえるでしょう。
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3.RPAの費用相場はいくら?要素別に解説
RPAツールの導入費用は次の4つに分けて考えられます。
- 初期費用
- 月額費用
- サポート費用
- 人件費
導入するRPAツールによって費用にばらつきはありますが、考え方やある程度の相場感を知っておけば、選定時に役立つことは間違いありません。RPAツールの導入費用を4つの要素別に解説いたします。
3-1.初期費用
初期費用は、導入するRPAツールのタイプによって大きく異なる傾向にあります。各タイプの相場感は次の通りです。
- デスクトップ型:数十万〜数百万円
- サーバー型:数百万〜数千万円
- クラウド型:数万〜数十万円
上記はRPAツール自体の購入費用であり、パソコンやサーバーを別途手配する場合はそれらハードウェアの購入費用やネットワークの構築費用も求められます。
デスクトップ型とクラウド型はそこまで差はありませんが、サーバー型の初期費用は高額になりがちです。
ただし、最近では初期費用を月額費用に含めたRPAツールもあるため、「初期費用自体は無料」を謳うソフトウェアも増えています。初期費用だけで比較するのではなく、そのほかの費用も含めてトータルで比較するようにしましょう。
3-2.月額費用
RPAツールで買い切りのシステムは少なく、ほとんどの場合はライセンス料や使用料といった形で月額費用を支払う必要があります
。また、基本的に月額費用はライセンス数によって変動するため、自社で購入したライセンス数が多ければ多いほど、月額費用も高額になる仕組みです。
月額費用に関してはRPAツールのタイプでの違いはあまりありません。しかし、RPAツールごとに費用感は大きく異なるため、どのツールを導入するかによって月額費用は大きく異なります。
一般的な相場感としては、1ライセンス当たり数万円〜十万円程度と考えるとよいでしょう。
また、RPAツールによっては、ライセンスを2種類に分けている場合があります。1つは実行版ライセンスで、開発済みのロボットによる自動化のみが行えるシステムです。
もう1つは開発版ライセンスでロボットの開発と実行の両方が行えるシステムです。実行版と開発版では、月額費用が倍以上変わるケースもあるため覚えておきましょう。
3-3.サポート費用
RPAツールのベンダーは、導入した企業に向けて各種サポートを行っています。たとえば、次のような内容です。
- 自動化する業務の選定
- 初期設定の支援・代行
- ロボットの開発支援・代行
- 従業員のトレーニング
- トラブル発生時の問い合わせ対応
これらのサポートが月額費用に含まれる場合もありますが、「RPAのサポートは別費用」のベンダーもあります。
RPAツールを使いこなすには、なるべくサポートを受けた方が良いため、導入費用に含めて考えておきましょう。
ココがポイント
ベンダーのサポートを受けられるかどうかで、RPAの成功率は大きく変わる
3-4.人件費
ここまででご紹介した費用は、RPAツールのベンダーに支払う料金が中心でした。
しかし、RPAツールを導入するために自社の人件費もかかるため、それも導入費用の一部として考えるべきです。
たとえば、要件定義やRPAツールの選定、トライアル、本稼働といった導入までの一連の流れにおいて、従業員の工数がかかっています。
また、RPAツールの操作方法を覚えるための教育にかかる時間や、初期設定にかかる時間も必要です。
自社の人件費は算出が難しいところではありますが、RPAツールの操作難易度やベンダーからのサポート内容によって大きく変動するため、大まかにでも試算することをおすすめします。
4.RPAを選ぶときのポイントは3つ!
ここでは、RPAツールを選ぶときのポイントとして、以下の内容についてご紹介します。
- ベンダーのサポート内容
- RPA習得のコストの高さ
- 本当に必要な機能だけを選別する
RPAツールを導入する時の参考にしてください。
4-1.ベンダーのサポート内容
RPAツールの導入で失敗しないためには、ベンダーのサポート内容が極めて重要です。
RPAツールを導入しても、「どのような業務を自動化できるか分からない」「設定方法が分からない」「トラブルが頻繁に発生する」といったように、うまく使いこなせていない企業は多くあります。
しかし、ベンダーのサポート内容が充実していれば、これらの問題は解消できる可能性が高まります。
RPAツールをうまく使いこなして業務の自動化をどんどん進めていけば、十分な費用対効果を得られるようになるでしょう。
ココがポイント
ベンダーによってサポート対応が異なるため、ITスキルに不安を抱えている方はベンダーのサポート力も重視
4-2.RPA習得のコストの高さ
RPAツールは、操作が簡単で誰でも使いやすいツールを選ぶことが重要です。ITスキルの高い一部の人しか使えないRPAツールを導入してしまうと、企業内で浸透しない恐れがあります。
RPAツールの操作方法はツールによって特色があり、プログラミングの知識が必要なソフトウェアから、人が操作した内容をそのまま記憶してくれるシステムまでさまざまです。
導入を決定する前にトライアルを行い、できるだけ操作が簡単でITに詳しくない現場担当者でも使えそうなツールを選ぶと、RPA習得にかかる人的コストを削減できます。
4-3.本当に必要な機能だけを選別する
RPAツールにはさまざまな機能が備わっているものの、自社で使いこなせそうにない機能まで無理に導入する必要はありません。
高機能なRPAツールは導入費用も高額な傾向のなか、実際には自社では使わない機能まで多く含まれている可能性があります。
たとえば、中小企業などで小規模にRPAツールを利用するのであれば、サーバー型のRPAツールに備わっているような高度なロボット管理機能は必要ないケースが多いでしょう。
”多機能性”だけを追い求めてしまうと高額な費用だけがかかり、RPAツールをうまく運用できない可能性があります。費用対効果が低下する原因にもなるため、自社にとって本当に必要な機能が何かを考えたRPAツールの導入をおすすめします。
5.RPAの導入費用を抑える方法は?
「自社で使いこなせるか分からない」「RPAツールの導入費用をできる限り抑えておきたい」と考えている企業の方は多いと思います。
そんな時におすすめなのが、無料トライアル制度の活用です。RPAツールによっては、導入前に期間限定で無料トライアルを受け付けている場合があります。
ホームページやカタログを見ているだけでは分からない細かな機能や操作性を、RPAの購入費用を払う前に確かめられるため、自社に合ったRPAツールを探す場合は無料トライアルの利用がベストです。
もう一つの方法が、スモールスタートで徐々にRPAツールの適用範囲を広げていくやり方です。なるべく初期費用や月額費用が安いRPAツールを導入し、まずは自社内の1つの部門や1つの業務をRPAツールで自動化します。
その後、RPAツールに慣れてきたタイミングでライセンスを増やしたり、自動化する業務を増やしたりすると、失敗する確率が低くなります。
ココがポイント
実際に試用して費用感を実感するのがベスト
6.RPAの導入費用で悩むならRaBitがおすすめ!
本記事では、RPAツールの導入費用に関してさまざまな視点からご紹介しました。
自社に合ったRPAツールを、適切な費用で導入したいと考えている企業の方は多いでしょう。本記事を参考にしつつ、RPAツールの導入を検討していただければ幸いです。
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