文字認識もRPAツールで自動化｜手順からツール選びのポイント解説

転記作業や読み込み作業をはじめ、さまざまな定型業務を効率化できるRPAツールは、文字認識ツールのOCRと組み合わせられるのをご存知ですか？

RPAとOCRを組み合わせれば、読み込んだ文字をデジタルテキスト化し、さらにデータの転記まで自動で行えます。

この記事では、文字認識をRPAで自動化する方法について、ツール選びのポイントなどを解説します。

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　1.文字認識のRPA化に必要なツール

現代では、多くのビジネスシーンでRPA(Robotic Process Automation)が活用されています。単純ながらも煩雑な定型業務を自動化するツールですが、RPAツール単体では文字認識を行えないのも事実です。

ここでは、文字認識のRPA化に必要なツールについて解説します。

　1-1.RPAツール

当然ながら、文字認識をRPA化するにはRPAツールが必要不可欠です。RPAツールとはパソコン上で行う繰り返し業務を自動化できるソフトウェアで、さまざまな単純作業の効率化に適しています。

代表的なRPAツールはUiPathやBlue Prism、RaBitなどで、ブラウザ操作を含めさまざまな作業の自動化が可能です。RPAツールの導入はDX化の足がかりともされており、昨今では多くの企業で導入が進められています。

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　1-2.OCR

次に、文字認識には（Optical Character Recognition/光学文字認識）も必要です。OCRとは紙や画像に描かれた文字を読み取り、テキストデータ化するためのツールで、RPAツールで文字認識をするには必要不可欠といえます。

OCRツールは多岐にわたりますが、近年では多くのソフトウェアで高精度な文字認識を実現しています。とはいえ、読み取った文字データは登録済みパターンと照合し、もっとも近い文字として再現する仕組みです。状況によって100％正確とは限らず、汚れてしまった資料をはじめ一部は読み取りが正確に行えない可能性に注意が必要です。

文字認識を行うためのスキャナ付きハードウェアと、読み取りデータをテキスト化するソフトウェアの2種類に分けられています。

ココがポイント

OCRはスキャンした画像から文字を抜き出してデジタルデータ化する仕組み

　2.文字認識をRPAで自動化する主な方法

文字認識（OCR）とRPAツールを組み合わせれば、読み取らせたあとの転記作業などを完全に自動化できるメリットがあります。

ここでは、文字認識をRPAで自動化する主な方法についてご紹介します。

　2-1.OCRの操作をRPAツールで自動化する

文字認識をRPAで自動化する1つ目の方法は、OCR操作をRPAツールで自動化する手法です。RPAツールはパソコン上で動くソフトウェアのほとんどに対応しており、OCRも同じく、ソフトウェア操作を自動化できます。

たとえば、ハードウェア側で読み取った領収書データがOCRソフトウェア上に表示されたとき、そのまま読み込みデータをRPAツールで特定フォーマットに転記・登録する作業まで自動化が可能です。

そのため、文字認識作業をRPA化すれば経理作業などにおいて大幅な効率アップを望めます。

　2-2.OCR機能が備わっているRPAツールを使用する

文字認識をRPAで自動化する2つ目の方法は、OCR機能の備わったRPAツールを利用する手法です。ソフトウェアによっては、RPAにあらかじめOCRのシステムが組み込まれたタイプも存在します。

OCRの操作とRPAツールの管理を一括で行えるため、利用しやすいのもメリットのひとつ。複雑な操作をシンプルに、文字認識作業をRPA化できます。

一方で、文字認識に特化した専門のOCRツールのなかには、AIを搭載したソフトウェアも。RPAツールとOCRツールを個々に組み合わせれば柔軟な拡張性を見込めますが、OCR搭載のRPAツールでは単体で完成しているため、ニーズに沿った選択がしにくくなる点に注意が必要です。

ココがポイント

拡張性を求める場合は、扱いやすいRPAツールと高精度なOCRツールを組み合わせるのが好ましい

　3.文字認識をRPAで自動化する活用例

文字認識作業をRPAツールで自動化すれば、さまざまな業務を効率化して、生産性アップが期待できます。とはいえ、具体的にどのような活用事例があるのかいまいちイメージできていない人も少なくないでしょう。

ここでは、文字認識作業をRPAで自動化する活用事例についてご紹介します。

　3-1.請求書データの内容を経理ソフトへ転記する

文字認識をRPA化するメリットのひとつ、請求書データ等を経理ソフトへ自動転記する作業があげられます。OCRツールで紙の請求書から読み取ったデータを、RPAが自動的に経理ソフトへ転記してくれる仕組みです。

RPAの転記作業にはヒューマンエラーが発生しないため、OCRで読み込んだデータをミスなく転記できるのがメリット。人は読み取り作業を行うだけで、スピーディに紙の請求書データをデジタル化できます。

ココがポイント

RPAで文字認識を自動化すればヒューマンエラーのミスを心配する必要がなくなる

　3-2.社内の手書き資料の電子化

文字認識とRPAを組み合わせれば、社内にある手書き資料等を電子化・デジタル管理できます。OCRツールなら手書き文字を認識し、デジタルデータ化するのも容易です。さらに、RPAでデータを電子文書に変換する作業も自動化できます。

データはテキスト化されるため書類内検索も利用できるなど、単に画像として保存するよりも利便性が大幅に向上するのもポイントです。文字認識とRPAを組み合わせれば、手書き資料も電子化できるため、資料管理の効率化に大きく貢献してくれます。

ココがポイント

紙の資料をデジタルデータ化すれば、資料検索がしやすくなり利便性がアップする

　3-3.紙の資料に印字された顧客情報の読み取り

完全なペーパーレス化に成功している企業はそう多くはありません。そこで紙の資料に印字された顧客情報の読み取りも、RPAツールで文字認識を自動化すれば効率的に行えます。OCRで印字された文字を読み取り、RPAツールで専用のデータベースへ転記するといった作業も自動化が可能です。

SFAなどのツールを利用していても、「取引先がペーパーレスに対応していないため紙資料でもらっている」といった事例も少なくないでしょう。そのようなシーンも、文字認識とRPAツールを組み合わせれば業務の大幅な効率化を実現できます。

　4.文字認識を自動化するRPAツール選びのポイント

OCRツールとRPAツールを組み合わせれば、文字認識作業を自動化できるメリットがあります。とはいえ、すべてのツールが文字認識の自動化に適しているとは限りません。

ここでは、文字認識を自動化するうえで注意したいRPA・OCRツール選びのポイントについて解説します。

　4-1.連携できるOCRの精度を確認する

RPAツールを選ぶ際は、連携できるOCRソフトウェアの精度をチェックすることが大切です。文字認識の精度が低いOCRツールを選んでしまうと、せっかくRPAツールで自動化しても、「肝心の転記データにミスばかり見つかってしまう」といった事例も少なくありません。

また、OCRで文字を認識・デジタル化する時間もソフトウェアによって異なるため注意が必要です。そのため、評判のよい高精度なOCRツールの選定をおすすめします。

文字認識のトラブルに対するリスクを最小限に抑えたうえで、そのシステムと連携できるRPAツールを選ぶのがベストです。

　4-2.RPAツール自体の使いやすさを確認する

各ソフトウェアの導入がはじめての場合は、RPAツール自体の使いやすさもチェックするのをおすすめします。扱いやすいRPAツールなら、担当者などの学習・時間・コストなど負担を大幅に削減できるため、現場へ浸透しやすくなるのがメリットです。

RPAツールには、マウスのドラッグ＆ドロップだけで自動化できるノーコードタイプのツールや、直感的に操作できるユーザーインターフェースなどさまざまな特色があります。

RPAツールのベンダー元が導入・運用サポートを実施している事例もあるため、導入に不安のある方はベンダーのサポート力についてもチェックするのをおすすめします。

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