パソコンで行う定型業務を自動化できる「RPA(Robotic Process Automation)」は、大企業をはじめさまざまなシーンで活用されています。成功事例も多く、幅広い部署で活用されているのも事実です。
一方で、RPAツールを適切に運用し続けるには、保守作業(メンテナンス)が避けられません。
この記事では、RPAの保守業務とはなにか、やるべき内容やメンテナンスにかかる費用目安を紹介します。オーダーメイドRPA制作サービスを提供している「RaBit」より、RPAの保守にかかる手間を削減するポイントについても解説しますので、あわせてご参照ください。
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1.RPAの保守業務としてやるべきこと
リモートワークや省人化に貢献するRPAツールは、一度定型業務を自動化すればそれで終わり、ではありません。RPAツールは以下の要素を踏まえて保守作業を行う必要があります。
- ツールのトラブル時の対応
- システム更新への対応
- シナリオの見直し・修正
ここでは、RPAの保守業務としてやるべきことを解説します。
1-1.RPAツールのトラブル時の対応
RPAツールにトラブルなどが起きたときの保守対応は必要不可欠です。RPAツールを運用していると、「ハードウェア」「ソフトウェア」のどちらかに起因したトラブル事例が見かけられます。
なかでも、RPAツールの動作不良がハードウェア起因であれば、パソコンの性能不足や故障が疑われるのも事実です。RPAの保守対応として、動作不良などのトラブル時にデバイスを修理したり、一連の動作でどこに問題があるのかを特定したりする作業が求められます。
1-2.システム更新への対応
RPAツールの保守対応に、システム更新への対応があげられます。具体的には、自動化した作業に含まれるシステムやPC、ソフトウェアのバージョンが更新されたときの対応です。
RPAツールは作業手順が常に定まっているため、給与計算ソフトなどのUIに変更があると、それだけで正しく動作できなくなってしまうリスクがあります。システム更新によってUIに変更があった場合、適宜自動化手順を修正するのもRPAの保守作業に含まれます。
特に、SaaS系ソフトウェアはUIの変更が度々行われるため、システム更新が行われていないかバージョンアップなどを適宜チェックしなければなりません。
1-3.RPAのシナリオの見直し・修正
RPAツールの保守には、シナリオの見直し・修正が必要です。システム更新などでUIが変われば作業範囲や操作内容も変更する必要があるため、業務やシステムの変更にあわせてシナリオの修正を行う必要があります。
また、シナリオ自体を見直すのも保守作業のひとつ。RPAツールで自動化した作業によって、本当に効率化を実現できているかなどを適宜見返します。
必要に応じて、シナリオ自体の見直しや、業務手順そのものを改善するなど多角的な視点からRPAのシナリオを見直すことが大切です。
2.RPAの保守にかかる費用
RPAは動作不良やシステム更新に対応するため、定期的な保守作業が必要です。RPAの保守には、以下のような費用が発生します。
- 社内での修正対応にかかる人件費
- システムのリプレイス費用
- RPAベンダーによるサポート費用
中小企業庁の資料では、IT導入・利用の課題としてコスト負担が第一にあげられているのも事実です。導入・運用にかかるコストだけでなく、RPAの保守にかかる費用を把握しておくことが大切だといえます。
出典元:中小企業白書2018「IT 利活用による労働生産性の向上(第二部・第4章)」
ここでは、RPAの保守にかかる費用について解説します。
2-1.社内での修正対応にかかる人件費
RPAの保守に社内の人的リソースを割く場合、修正対応にかかる人件費が必要です。情シス部などRPAのシステム保守を担当できる専門部署がなければ、ツールの運用に必要な知識をもつ人材と人件費が求められます。
専門部門として担当者を設けない場合は、通常業務とは別に作業時間が発生するため、対応する人件費も必要です。
RPAツールには学習しやすいソフトウェアも登場しています。しかし、学習にかかる時間やコストの負担を、社員に押し付けてしまうのは好ましくないのも事実です。RPAの保守を社内リソースで行う場合は、対応できる人材を育てたり、保守対応をする社員の人件費が必要になったりします。
2-2.システムのリプレイス費用
RPAの保守ではシステムのリプレイス費用も換算する必要があります。たとえば、「システムアップデートでUIが代わった」などの単純な理由でも適宜修正を行うため、その保守費用が求められます。
また、自社システムと置き換えるコストはもちろん、RPA自体の運用が正しいかどうかも考慮しなければなりません。RPAを導入したときの失敗事例に「RPAを導入することが目的になっている」点があげられます。
既存システムと置き換えるリプレイスだけを重視した結果、望んだ導入効果を生み出せないような事例も少なくありません。RPAの保守では、「手順変更等に伴うツール自体のリプレイス」「既存システムとのリプレイスで導入効果を発揮できているか効果検証」などのコストがかかります。
2-3.RPAベンダーによるサポート費用
RPAの保守を自社だけで行うのが不安な場合は、RPAベンダーによるサポートを受けるのも選択肢のひとつです。その場合は、ベンダーごとのサポート費用がかかります。無償・有償はベンダーによって異なり、サポート内容もさまざまです。
たとえば、ベンダーによってはRPAの保守やリプレイスに対応していたり、新しいシナリオ作成を補助したりと、幅広いサポートを受けられます。また、社員へのティーチングを実施してくれるベンダーもあり、自社のRPA運用スキルを高めたい場合には最適です。
ベンダーのサポート費は必須ではないものの、自社の状況を省みたうえでサポートの手厚さに目を向けてみるのをおすすめします。
3.RPAの保守の手間を削減するポイント
RPAツールは保守作業が必要なものの、いくつかのポイントに着目すれば保守にかかる手間を削減できます。RPAは運用上メンテナンス自体が避けられないため、「メンテナンス自体をラクにする方法」に着目することが大切です。
ここでは、RPAの保守にかかる手間を削減するポイントについて解説します。
3-1.ツールの運用状況を適切に管理する
RPAの保守を適切に行うために、ツールの運用状況をしっかりと管理するのは欠かせません。RPAに任せっきりの業務でトラブルが発生すると、どの箇所でエラーが発生したのか追求に時間がかかるケースもあります。
なかには、完全に管轄外で稼働している「野良ロボット」が見受けられる事例も。RPAの保守作業を快適に行うには、稼働しているロボット数や担当しているシステム範囲をしっかりと把握しておくことが大切です。
ガバナンス体制の確立はもちろん、RPAツールを各部署が創意工夫で取り入れる場合は、自動化した業務内容等を把握できるよう各部門の連携力を高めておく必要があります。
3-2.トラブルについて社内で情報共有する
間違ったデータ処理を行ったRPAはどれか、そもそもなぜトラブルが起きたのかを把握することもRPAの保守では重要です。トラブルの発生事例を社内で情報共有すれば、次回に同様の問題が発生した際スピーディに対応できるだけでなく、同じトラブルを未然に防止しやすくなります。
その際は、「トラブルの事例」「何が問題か」「どのように解決したか」の3つをマニュアル化してまとめておくことで、トラブル対応へのブラックボックス化を防げます。過去の資料をもとにトラブルに対応しやすくなるため、RPAツールの保守と運用を安定して行いやすくなります。
3-3.サポート体制が充実したRPAツールを選ぶ
RPAの保守にかかる負担を軽減するなら、サポート体制の充実したRPAツールを選ぶのもポイントです。RPAのベンダーによっては、保守作業を代行してくれる事例も存在します。
たとえば、オーダーメイドでRPAツールを制作するサービスの「RaBit」なら、プロがヒアリングして設計から開発、導入、運用サポートまで行うため、導入前後の手間を大幅に削減可能です。
また、深い知見を持ったプロが多数在籍しているため、なにかトラブルがあればスキルフルなサポートを受けられます。
サポート体制が充実したRPAツールなら、保守やメンテナンスにかかる手間を大幅に削減し、自社のリソースを大切な事業に注力できるのがメリットです。
「業務の効率化」を念頭にRPA化を検討している場合は、保守の手間とコストを比較検討したうえでベンダーのサポート力に着目してみるのをおすすめします。
4.まとめ
RPAツールは定型業務の自動化に適している一方で、保守やメンテナンス作業が求められます。特に、作業途中に使われているシステムやUIに変更があると、正しい動作が行えず、業務自体がストップしてしまう事例も少なくありません。
そのため、RPAツールを運用する場合は適切な保守・メンテナンス作業が必要不可欠です。自社のリソースだけでRPAツールの運用や保守が難しいと感じた場合は、ぜひオーダーメイドでRPAツールを制作できるサービス「RaBit」をご利用ください。
RaBitならプロが設計から開発、導入、運用アシストまで行うほか、深い知見を持ったスタッフがトラブル時のサポートを行います。RPAの保守にかかる手間を最小限に抑えられるため、興味がおありでしたらぜひお気軽にお問い合わせください。