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エクセルデータを自動で転記する方法をパターン別に解説

エクセルデータの転記作業では、コピペミスなど些末なトラブルからデータ内容にズレが生じてしまうケースも少なくありません。そのような生産性の低い業務も、作業を自動化すればより重要な業務に注力しやすくなるのがメリットです。

この記事では、エクセルデータを自動で転記する方法について、パターン別に解説します。

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 1.エクセルのデータを自動転記する主な方法

1.エクセルのデータを自動転記する主な方法

エクセルのデータを自動転記するには、いくつかの方法があります。代表的な手法は「エクセルの関数機能」「VBAを使ったマクロ」「RPAなどの外部ツール導入」などです。

ここでは、エクセルのデータを自動転記する方法についてそれぞれ解説します。

 1-1.VLOOKUPなどの関数を使用する

エクセルのデータを自動転記する簡単な方法は、VLOOKUPなどの関数を使用する方法があげられます。いずれもエクセルに搭載された基本機能で、専門的な知識がなくとも利用できる点がメリットです。

たとえば、VLOOKUP関数を使えば、あるシートから別のシートにデータを転記できます。特定縦列の自動転記を簡単に実現できるため、資料作りに役立てられるのもポイントです。

ただし、VLOOKUP関数は縦列しか参照できないため、横列のデータを取得したい場合は「HLOOKUP関数」を使用する必要があります。

ココがポイント


VBAを利用するとエクセルデータを簡単に自動転記できる

 1-2.VBAを記述してマクロを作成する

エクセルデータを自動転記する方法のひとつに、VBA(Visual Basic for Applications)を使用してマクロを作成する方法があります。

VBAとはエクセルで利用できるプログラミング言語のひとつで、VBAを使えば独自の処理を自動化でき、より高度な自動転記が可能です。

たとえば、特定の条件に基づいてデータを転記したり、複数のファイルを一括で処理したりする作業もできます。VBAを使ってマクロを作成すれば、エクセルの自動転記を柔軟に行えると言えるでしょう。

VBAを使用してエクセル業務を自動化する典型的な例としては、複数のシートにまたがるデータをまとめる操作などがあげられます。

 1-3.RPAツールを使用する

エクセルのデータ自動転記を効率化する方法として、RPA(Robotic Process Automation)ツールの利用も選択肢のひとつです。

RPAツールは定型業務を効率化・自動化するシステムで、それを用いてエクセル操作の自動化を容易に実現できます。

たとえば、「UiPath」や「RaBit」などのRPAツールを使って、エクセルデータの転記を自動化することが可能です。

RPAツールはエクセルのデータを自動的に転記するだけでなく、別システムからのデータをエクセルへ転記したり、エクセルの入力データを別システムへ入力したりする作業も自動化できるため、業務の大幅な効率化に役立ちます。

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 2.エクセルの関数で別シートや別ブックのデータを自動転記する手順

2.エクセルの関数で別シートや別ブックのデータを自動転記する手順

エクセルの関数を使えば、別シートや別ブックへデータを転機する作業を自動化できます。

ここでは、具体例をもとにエクセル関数を使ってデータ転記を自動化する手法についてご紹介します。

 2-1.転記先のシートを作成する

転記先のシートを作成する際は、まずA列に「ID番号」、B列に「名前」という形で、転記元と同じ列構成を準備しましょう。これにより、転記先と転記元のデータ構造に整合性を保てるため、自動転記をスムーズに行いやすくなります。

サンプルデータの転記元として使用する場合と同じく、転記先のシートにもA列にID番号あらかじめ入力しておきましょう。

B列の「名前」は自動転記の関数を使って入力するため、転記先のシートにはあくまでA列の「ID番号」のみを入力します。

今回紹介する手順では、簡単な顧客リストのような資料作りから特定列のデータ収集作業までを自動化できます。

 2-2.VLOOKUP関数などで転記元のデータを指定する

転記先のセルにVLOOKUP関数を使って、転記元のデータを指定します。別シートや別ブックのデータを参照する場合は、範囲引数に適切な参照を記述しなければなりません。

転記元のシート名が「Sheet1」で、転記先のシート名が「Sheet2」の場合、Sheet2のB2セルに以下のようなVLOOKUP関数を入力します。

=VLOOKUP(A2, Sheet1!A:B, 2, FALSE)

これにより、Sheet2のA2セルに入力されたID番号に一致する顧客名がSheet1から自動的に転記されます。この関数の引数は、検索キー(A2)、転記元の範囲(Sheet1!A:B)、返したいデータが含まれる列番号(2)、厳密な一致を求めるかどうか(FALSE)です。

VLOOKUP関数を使ったデータ転記を他の行にも適用するには、B2セルの右下をドラッグして、関数を下方向にコピーします。同じ方法でワークブック内の別シートからデータを転記する作業も簡単です。

ほかにも、INDEX関数とMATCH関数を組み合わせてエクセルを自動転記する手法も存在します。

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 3.VBAでフォルダ内のエクセルデータを自動転記する手順

3.VBAでフォルダ内のエクセルデータを自動転記する手順

エクセルではVBAのマクロ機能を使ってデータの自動転記を実現できます。VBAを使ってフォルダ内のエクセルデータを自動転記するには、事前にマクロを構築しなければなりません。

ここでは、VBAを使ったマクロの作成方法を含む手順をご紹介します。

 3-1.転記元のエクセルファイルを同じフォルダにまとめる

エクセルデータを自動転記するためには、まず転記元のエクセルファイルをすべて同じフォルダにまとめます。VBAでファイルを一括処理するには、同じフォルダにファイルをまとめておく必要があります。

たとえば、顧客データが複数のエクセルファイルに分散している場合は、1つのフォルダに収めるのがポイントです。業務の効率化を実現する意味でも、関連ファイルは1つのフォルダにまとめておきましょう。

 3-2.転記先のエクセルファイルを作成しマクロを有効化する

次に、転記先のエクセルファイルを作成します。この際、「.xlsm」形式で保存しなければなりません。「.xlsm」形式はマクロを含むエクセルファイルをサポートしており、マクロの有効化に必要不可欠な手順です。

既存エクセルファイルを流用する場合は、「保存の種類」から「Excelマクロ有効ブック(.xlsm)」を選択すると、マクロを有効化できます。

 3-3.転記先のエクセルファイルにVBAを入力し実行する

転記先のエクセルファイルで、開発タブを開き、VBAエディタを起動します。新しいモジュールを作成し、以下のようなVBAコードを入力します。

Sub ConsolidateData()
    Dim FolderPath As String, Filename As String, ws As Worksheet
    FolderPath = "C:\転記元フォルダ\" ' 転記元ファイルがあるフォルダパスを指定
    Filename = Dir(FolderPath & "*.xlsx") ' 拡張子が.xlsxのファイルを検索

    While Filename <> ""
        Workbooks.Open FolderPath & Filename
        For Each ws In ActiveWorkbook.Worksheets
            ws.UsedRange.Copy ThisWorkbook.Sheets(1).Cells(Rows.Count, 1).End(xlUp).Offset(1, 0)
        Next ws
        Workbooks(Filename).Close SaveChanges:=False
        Filename = Dir
    Wend
End Sub

このコードを実行すると、指定したフォルダ内にあるすべてのエクセルデータが転記先のエクセルへ自動転記されます。そのため、この方法でフォルダ内の複数のエクセルファイルからデータを効率的にまとめられます。

 4.まとめ

4.まとめ

エクセルのデータを自動転記する作業は簡単です。特に、特定列を転記する作業はVBAや関数などエクセルに備わった機能の活用で簡単に自動転記を実現できます。

ただし、より柔軟な手順は別システムからエクセル、エクセルから別システムへの自動転記といった作業には、VBAでは実現が難しいのも事実。そのようなときは、RPAソフトウェアを導入してみるのをおすすめします。

RPAツールなら、エクセルの自動転記だけでなく別システムへの転記作業やその他定型業務の自動化にも最適です。

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