近年、電子商取引(EC:Electronic Commerce)の発展に伴い、物流業界の業務量が急激に増加しています。そんな物流業界の業務過多を解決する手段として注目されているのが、業務自動化ツールの「RPA(Robotic Process Automation)」です。
人手不足が慢性化している物流業界では、配送業務以外のバックオフィス業務を改善する目的でRPAの導入が進んでいます。
しかし、実際にRPAの導入を検討するにあたって、「物流業界でRPAは本当に役に立つ?」「具体的にどのような業務でRPAが活用されているの?」と疑問を持っている企業は多いようです。
さらに、IT人材が乏しい企業では、RPAをうまく導入・活用できるか不安の声もよく聞きます。
そこで本記事では、物流業界でRPAの導入を検討している方に向けて、RPAの概要や物流業界でのRPA活用事例を解説します。また、RPAの導入を成功させるポイントも紹介しますので、RPAの導入に不安を感じている方もぜひ参考にしてください。
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1.RPAはどんなツール?
RPA(Robotic Process Automation)」の意味は、直訳すると「ロボットによる業務の自動化」です。人がパソコンを使って行っている業務の一部を、ソフトウェア型のロボットが自動化してくれるツールを指します。
RPAで業務を自動化するには、業務の内容や手順、ルールをあらかじめロボットに覚えさせる必要があります。パソコンをどのように操作すればよいかを設定しておけば、ロボットがその通りに動いて業務を自動化してくれる仕組みです。
RPAで自動化できる内容として、次のような業務が挙げられます。
- 各種システムへのデータ入力や転記
- データ集計やレポート作成
- 各種伝票の作成・出力
- メールの自動送信
2.RPAの導入で解決可能!物流業界の課題
近年、物流業界はさまざまな課題を抱えていますが、RPAはそれらの課題を解決するのに役立ちます。
ここでは、物流業界が具体的にどのような課題を抱えているのかを紹介します。
2-1.ドライバーの高齢化や人口減少による人手不足
物流業界では、ドライバーの高齢化に伴う退職が増加傾向にあります。そのような背景から人材確保が急務となっている一方で、少子高齢化などの影響で若手人材が増えず、慢性的な人手不足に陥っている状況です。
近年の物流業界では、人手不足を解消するためにデジタル技術が積極的に導入されています。
ドローンを始めとする配送ロボットや、物流倉庫でのピッキングロボットなどは、物流業界における業務自動化の代表例です。
その一環として、パソコンを使った各種バックオフィス業務を自動化するためにRPAツールなどのソフトウェアが活用されています。
ココがポイント
今後日本で進む人材不足問題の対策として、RPAツールが物流業界でも注目を集めている
2-2.電子商取引の発展による業務過多
ネット通販やフリマアプリを始めとする電子商取引の普及によって、物流量は爆発的に増加しています。さらに、ここ数年間で即日配送や配送料の無料化が浸透しており、物流業界への負担は増す一方です。
物流量の増加によって負担がかかっているのは、配送業務だけではありません。伝票処理・書類作成・配送先への連絡・在庫管理といったバックオフィス業務も同じく業務負担の増加に苦しんでいます。
爆発的に増えている業務量を人の手でこなすのには限界があるため、物流業界でもRPAなど業務自動化ツールの導入が進められているのです。
3.物流業界におけるRPAの活用事例
RPAを導入すれば、物流業界におけるさまざまなバックオフィス業務を自動化・効率化できます。
ここでは、実際に物流業界でどのようにRPAが活用されているのかをご紹介します。
3-1.夜間倉庫管理
ソフトウェアであるRPAは、24時間365日稼働し続けられます。
夜間・休日にかかわらずほぼ毎日稼働している物流業界にとって、RPAによる業務の自動化は非常に効果的です。
実際に、夜間にしなければならないデータ処理をRPAで自動化し、夜間勤務として働いていた事務スタッフが不要になった事例があります。
3-2.帳票作成の自動化
物流業界の業務では、納品書・送り状・ピッキングリスト・輸出入関連の書類といったさまざまな帳票を作成する必要があります。
これらの帳票は定型的な内容が多いものの、量も多いので人の手による作成は大変です。
RPAで自動化すれば、物流システムなどから必要なデータを抽出して所定のフォーマットに転記するなど、一連の各種帳票作成を自動化できます。
3-3.ペーパーレス化
物流業界にはまだまだ紙ベースの業務が残っており、作業効率化の推進が難しくなる原因の1つです。しかし、RPAとAI-OCRと呼ばれる高精度な文字認識ツールを組み合わせれば、ペーパーレス化の実現が可能です。
たとえば、取引先からFAXで届く手書きの出荷依頼書をシステムへ手入力する業務に関しては、スキャンした出荷依頼書をAI-OCRがテキストデータ化し、それをRPAがシステムへ転記する形で自動化できます。
ココがポイント
業務をペーパーレス化すると、データの参照や情報更新も早くなり、作業効率が上がる
3-4.出荷連絡・問い合わせ対応の自動化
バックオフィス業務のなかでも、出荷連絡や問い合わせ対応は負荷が大きい業務です。素早くかつ適切に対応しなければ、クレームに発展する恐れもあります。
RPAは、定型的な内容であればメールでの自動応答が可能です。
「出荷が完了した旨を送り先へ自動で通知する」「問い合わせのあった送り状番号をもとに配送状況を取得して自動応答する」などの形でRPA化すれば、物流業界の窓口を担うスタッフの負担が大幅に軽減されます。
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4.物流業界におけるRPA導入ポイント
RPAは物流業界の課題を解決するのに役立ちますが、導入方法を間違えると逆に手間が増えてしまう可能性もあります。
そこで、物流業界でRPAを効果的に運用するために押さえておきたいポイントをご紹介します。
4-1.スモールスタートで導入を進める
RPAの導入では、スモールスタートを心がけましょう。どんどん業務を自動化して業務負担を軽減したいと思う気持ちは分かりますが、焦りは禁物です。
RPAの扱いに慣れていないうちはトラブルが起こりやすく、動作不良から業務の停止など重大な損害に発展する恐れがあります。
物流業界をはじめ、RPAをはじめて導入するときは、ほかの業務への影響が少ない簡単な作業から自動化を進めるのがベストです。それが成功した後に少しずつ自動化する範囲を広げていくと、失敗しにくくなります。
4-2.現場のスタッフでも理解できるツールを選ぶ
一口にRPAと言っても、機能や操作性はどのツールを導入するかによって大きく異なります。実際にRPAを使うのは現場なので、現場のスタッフでも理解できるツールを選ぶようにしましょう。
実際の使い勝手は、Webサイトやパンフレットを見るだけでは分かりません。無料トライアルなどを利用して、実際に現場のスタッフがRPAツールを触ってみてから導入を決めるのがおすすめです。
ココがポイント
RPAツールのベンダーによっては、社員教育やマニュアル整備もサポートしてくれる
4-3.サポートが充実したツールを選ぶ
RPAを活用していると、「設定方法が分からない」「RPAが突然停止した」などのさまざまな悩みやトラブルが発生します。そういった時に、RPAツールの運用を手厚くサポートしてくれるベンダーなら安心です。
ベンダーによってサポートの充実度は大きく異なるので、RPAツールの選定時に必ず確認しておきましょう。導入後のサポート体制だけでなく、導入時にどのようなサポートが受けられるかも確認しておけば、スムーズにRPAの導入を進められます。
4-4.自動化する業務を明確化する
物流業界では「納品書・送り状・ピッキングリスト・輸出入関連の書類」などの書類作業も多く、そのような定型作業ならRPAを使った自動化に適しています。
一方で、RPAを使えば物流業界におけるすべての業務を自動化できるわけではありません。業務によっては、RPAではなくほかのツールが自動化に適している可能性もあるため注意が必要です。
基本的には、出荷連絡や問い合わせ対応をはじめとした定型業務を浮き上がらせ、それらのRPA化に注力すると業務を効率的に自動化できます。
ココがポイント
RPAは定型業務の効率化をはじめ、工夫次第で幅広い業務を自動化できる
5.物流業界のバックオフィス業務を改善するなら!RaBit
弊社では、物流業界におけるバックオフィス業務の改善に役立つRPAツール「RaBit」の開発・提供・導入支援を行っております。
物流業界でのさまざまな業務に対応した機能が充実しているだけでなく、コスト面・サポート面でも特徴があります。
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5-1.費用対効果を得やすい
「RaBit」は月額10,450円で物流業界の業務を自動化し、時間・コスト・人手を大幅に削減できます。
比較的簡単な業務を自動化するだけでも費用対効果を得やすいので、RPAの導入にあまりコストをかけられない中小企業のお客様でも気軽に導入していただけます。
5-2.サポート体制が充実
「RaBit」では、お客様が安心してRPAを使っていただけるようにサポート体制を充実させています。
導入時には、お客様に合わせたオーダーメイドの設定まで対応しており、ご自身で難しい設定も必要なく自動化の効果を実感していただけます。
また、導入後は150名以上のプロオペレーターによるサポートを行っているため、自社にIT人材が少ないと不安に感じておられる企業でも安心してご利用いただけます。
5-3.AI-OCRツール「Rai」とセットで提供可能
弊社では、AI-OCRツールの「Rai」も開発・提供しています。
RPAとAI-OCRの組み合わせで、ペーパーレス化による業務効率化も実現可能です。
紙ベースでのアナログな業務に限界を感じておられる企業の方は、お気軽にご相談ください。