RPA(Robotic Process Automation)は、ソフトウェアロボットを使って業務を自動化できるツールです。
人手不足の解消に、実際に製造業でもRPAの導入を検討する会社が増加しています。しかし、RPAの導入にあたって次のような悩みを抱えている方もいるかもしれません。
- 「製造業でのRPAの活用方法がわからない」
- 「製造業でRPAを活用するメリットはある?」
そこで本記事では、RPAの概要や製造業でのRPA活用事例、導入のポイントについて解説します。この記事をお読みいただければ、製造業の現場でRPAを活用するイメージが湧いてくるでしょう。
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1.製造業にRPAは必要なのか?
RPAはパソコンを使ったバックオフィス業務を自動化できるツールです。最近ではあらゆる業界・業種で活用されるようになり、製造業での導入企業も増えています。
ここでは、製造業でなぜRPAが必要とされるのかをご説明します。
1-1.製造業の業務内容とRPA
工場での加工や組み立て作業のイメージが強い製造業ですが、バックオフィス業務も数多く存在します。
具体的には、次のような業務です。
- 生産管理
- 在庫管理
- 受発注管理
- 出荷管理
- 情報収集
バックオフィス業務の多くは人の手で行われており、データ入力やデータ管理に相当な手間がかかっているのが現状です。
上記の業務の中にはRPAで自動化できる仕組みが多く、RPAの導入によって業務の効率化を図れます。
ココがポイント
製造業界にもRPAで自動化できる定型作業が多く存在する
1-2.製造業におけるRPAの導入状況
内閣府が公表している「令和元年度 年次経済財政報告」では、業種・企業規模別のRPA投資の実施状況が示されています。
それによると、製造業におけるRPA投資の実施率は約14%であり、金融業・保険業、サービス業についで3位の結果となりました。つまり、製造業は比較的RPAの導入が進んでいる業界の1つです。
製造業では人手不足が深刻化しているため、バックオフィス業務を担う労働力としてRPAを導入する企業が増えています。
また、製造業ではもともとロボットなどを活用した自動化が積極的に行われており、生産性向上に関する意識が高い背景も影響していると考えられます。
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2.製造業におけるRPAの活用事例
上述したように、製造業にはRPAで自動化できる業務が数多くあります。
ここでは、具体的にRPAでどのような業務を自動化できるのか、製造業での活用事例をご紹介します。
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2-1.在庫管理の自動化
製造業にとって在庫管理は重要な業務のひとつですが、都度在庫数を入力したり、在庫状況を確認したりするのは相当な手間となっています。
RPAを導入すれば、在庫管理システムやExcelに記載された在庫数も自動で取得。関係者にメールで通知できるため、在庫状況の確認作業も自動化できます。
また、顧客への出荷数や仕入れ先からの納品数をほかのシステムから取得して、在庫数の増減を在庫管理システムに反映するといったことも可能です。
2-2.請求書や報告書の自動作成
製造業では、請求書や納品実績の報告書を月末に作成する企業が少なくありません。取引先や取引量が多くなれば、それらの帳票を作成するのに膨大な手間がかかってしまいます。
RPAでは、基幹システムなどから取引先ごとの受注情報や出荷情報を取得し、所定のフォーマットに転記する流れで帳票作成の自動化が可能です。
さらに、完成した帳票をメールに添付して取引先に送付すれば、一連の流れをすべてRPAで自動化できます。
人の工数を大幅に削減できるだけでなく、ミスなく業務をこなすRPAなら作成漏れや誤記、計算間違いといったミスの発生も防げます。
2-3.発注業務の自動化
RPAでは、製造業の発注業務も自動化できます。
- 在庫管理システムから在庫数のデータを取得する
- 在庫数が適正在庫以下になっていれば、発注書を自動で作成する
- 作成した発注書をメールに添付して発注先へ送付する
発注先や発注数量、発注価格があらかじめ決まっていれば、上記のような流れで発注業務を完全に自動化できます。
よく使う材料や資材を自動発注できる仕組みを整えれば、「必要なときに在庫が足りない」などの事態がなくなり、スムーズに生産工程へ進めます。
ココがポイント
RPAを導入すれば製造業の安定化に繋がりやすい
2-4.情報収集
RPAではWebサイトから特定の条件に合致する情報を収集できるため、製造業で行われる情報収集の一部を自動化できます。
たとえば、見込み顧客の情報や競合情報、自社製品の口コミ・レビューを集めれば、営業活動やマーケティング活動で役立ちます。人の手だけで情報収集を行うと面倒のため、情報収集を実施できていない企業も多いかもしれません。
RPAを導入すれば、従業員はRPAが集めた情報を分析したり、活用したりする業務に集中できます。
2-5.異なるシステム間のデータ転記
製造業ではさまざまなシステムが活用されていますが、異なるシステムで同じデータを利用したい際にうまく連携ができず、やむを得ず人の手で転記しているケースがあります。
データのフォーマットが異なるため、「人の手で加工をしてから連携する」といった経験がある方もいるかもしれません。
そのような場合は、RPAの活用が効果的です。
複数のシステムを同時に開いてデータをそのまま転記する、Excelなどでデータを加工した上で転記する、といったことが、RPAによって自動化できます。
3.製造業でRPAを導入するメリット
製造業がRPAを導入すれば、どのようなメリットを得られるのでしょうか。
ここでは、主なメリットをご紹介します。
3-1.人手不足の解消
RPAは「デジタルレイバー」や「仮想知的労働者」とも呼ばれており、人の代わりの労働力として期待されているツールです。
単純作業の繰り返しが多いバックオフィス業務をRPAに任せていけば、限られた人的リソースをより創造的な業務に集中させられます。
ほかの業界と同様に、製造業では人手不足が深刻化している状況です。
さらに、グローバル化に伴って国際的な競争も激化しているため、日本企業の競争力を高めるためにも人手不足の解消が急務となっています。
ココがポイント
製造業でも、技術が求められないバックオフィスをRPAで簡単に自動化できる
3-2.作業の生産性向上
RPAはソフトウェアのため、場合によっては人の何倍ものスピードでパソコン業務を行えます。
また、夜間や休日でも稼働し続けられるため、人が行うよりも多くの業務量をこなせるのが特徴です。
さらに、RPAは疲れや注意不足などが原因のヒューマンエラーとも無縁であり、ミスなく延々と同じ業務を繰り返してくれます。業務の品質を安定化させられるのも、RPAのメリットです。
3-3.業務コストの削減
RPAを導入して業務を自動化すれば、これまでそれらの業務にかかっていた人の工数を削減できます。
RPAにも当然導入コストはかかりますが、人を雇うよりは安価に抑えられるケースが多く、コスト削減を実現できます。
製造業はモノづくりでも多くのコストがかかりますが、バックオフィス業務のコストを削減していけば利益率の向上が可能です。
3-4.BCP対策
昨今の製造業では、BCP対策が急務となっています。大規模な自然災害や世界的な感染症の影響により、工場などが稼働停止して製品の供給が止まるケースが増えているためです。
緊急事態においても事業を継続するには、人が出社できない状況下でも業務が止まらないように自動化しておくのが効果的です。その観点でも、製造業による業務のRPA化は役立ちます。
4.製造業でRPAの導入を成功させるポイントとは
ここまでにご紹介した通り、製造業ではRPAを活用できる業務が多く、さまざまなメリットを得られます。RPAの導入を検討してみようと感じていただけた方もいるのではないでしょうか。
ここからは、製造業でRPAの導入を検討されている方に向けて、取り入れる際に押さえておきたいポイントを解説します。
4-1.初めはスモールスタートで
RPAを導入後にいきなりすべての業務をRPA化しようとすると、失敗しやすくなります。
導入後すぐは設定ミスや障害によってRPAが停止してしまう可能性が高く、業務に支障をきたす恐れがあるためです。
モノづくりの現場や取引先への影響が少ない簡単な業務から自動化を試していき、徐々に自動化の範囲を広げるスモールスタートをおすすめします。
4-2.RPAを活用できる体制を整える
せっかくRPAを導入しても、うまく使いこなせていない企業は多くあります。導入を推進する担当者を決めるなどして、RPAを活用できる体制の整備が重要です。
RPAには専門知識が不要で誰でも扱えるツールが多いものの、ミスなく正確に使いこなすにはある程度の教育が求められます。
RPAの操作方法に関するマニュアルを作成したり、社内で講習を実施したり、活用できる体制を整えるのが効果的です。
自社だけで教育するのが難しい場合は、RPAのベンダーに相談してみるのをおすすめします。
ココがポイント
ベンダーによってはRPAの運用体制を構築するサポートもある
5.RPAを導入するならRaBitがおすすめ!お気軽にご相談を
当社では、RPAツールの「RaBit」を開発・提供しています。「RaBit」はさまざまなバックオフィス業務を自動化するツールであり、製造業でも活用できます。
たとえば、次のような業務の自動化が可能です。
- 同じ情報を違うシステムへ再度入力する転記業務
- 複数のファイルからデータをひとつにまとめる集計作業
- 違うデータへ加工・編集する照合作業
- 同じ文言のメールを作成して送信する通知作業
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